05館長の朗読日記(戦後65年/西暦2010年)

05館長の朗読日記 587

館長の朗読日記 587  (戦後65年12月31日 新規)



○大晦日にこの一年を振り返る

 年末に私がやらなければならない家事は、昨日までに全部やり終えてしまった。年賀状の作成&投函、書斎の書類&資料の整理整頓、障子紙の張替え、正月飾り、デジタル&横長テレビ設置の下準備(古いパソコンの撤去と分波器の用意)、などなどである。

 家人は今日も大童で立ち働いているが、これはもはや私が手伝える範囲を超えている。そこで、今日はこれからノンビリと今年一年を振り返りつつ、戦後65年(和暦/平成22年、西暦/2010年)の最後の「館長の朗読日記」を書こうという次第である。



○朗読指導について

 現時点で私が朗読指導しているのは、5つの地域、8つの朗読サークルに対してである。昨年の同時期より1地域、1朗読サークルが減っている。それは、三鷹市の三鷹朗読サークル「さつきの会」が、朗読ステップ1〜6を一通り修了したのを機に、グループを解散したためである。

 いずれ、機会があれば、東京都内に新たな朗読サークルを立ち上げ、朗読指導を始めたいとも考えている。しかし、今のところは、その機会も、私の時間的・精神的・体力的な余裕もない。別に慌てる必要もないので、ここは一つジックリと構えてチャンスを待つことにしている。



○朗読サークルの朗読会について

 朗読指導の一環として、各朗読サークルに朗読ステップの修了を機に、各種の朗読会を開催してもらっている。今年は、おさらい会(朗読ステップ1〜2の修了時)が1つ、朗読発表会(朗読ステップ3〜6の修了時)が7つ、小さな朗読館(第2期の朗読ステップ修了時)が2つ開催された。

 2月24日/朗読発表会『あの日夕焼け』/千葉「わかば」
 3月26日/朗読発表会『日本婦道記』/八千代「花ことば」
 4月21日/朗読発表会『流れる星は生きている』/船橋「はなみずき」
 5月10日/第4回「小さな朗読館・やちよ」/八千代「新・みちの会」
 5月15日/朗読発表会『広島の姉妹』/八千代「こちの会」
 5月25日/朗読発表会『流れる星は生きている』/品川「あやの会」
 7月07日/朗読発表会『忍ぶ川』/三鷹「さつきの会」
 7月31日/習志野「茜」朗読おさらい会/習志野「茜」
 9月27日/第5回「小さな朗読館・やちよ」/八千代「新・みちの会」
10月29日/千葉朗読サークル「風」朗読発表会/千葉「風」

 その他にも、朗読サークルが自主的に朗読会を開催したり、あるいは、他の朗読会に参加・出演したりした。これは、私のとって、まことに喜ばしいことである。いずれ、各朗読サークルの自立化が進めば、総ての朗読会が自立的に開催されるように切望している。

 3月13日/品川朗読交流会 Vol.2
   /品川「あやの会」の代表有志が出演
   /品川「あやの会」など3グループ共催
 6月13日/第11回「市民が読む 太宰治作品朗読会」
   /三鷹「さつきの会」の有志が出演   
   /連雀地区住民協議会文化部会&みたか観光ガイド協会
 7月10日/品川朗読交流会 Vol.3
   /品川「あやの会」の代表有志が出演
   /品川「あやの会」など3グループ共催
10月03日/八千代台公民館まつり・公民館祭り
   /八千代「新・みちの会」の代表有志が出演
   /八千代市八千代台公民館主催
10月30日/朗読「ホタル帰る」ミニ再演 
   /品川朗読サークル「あやの会」の代表有志
   /品川区立八潮在宅サービスセンター主催
11月13日/品川朗読交流会 Vol.4
   /品川「あやの会」の代表有志が出演
    /品川「あやの会」など4グループ共催



○館長自身の朗読公演について

 私自身の朗読公演としては、毎年、継続的に開催している2つの朗読会を以下のように行なった。

 6月30日/第3回「東百道の朗読館」
   /「東百道の朗読館」実行委員会主催
11月29日/第3回「東百道・講演と朗読の会」
       芥川龍之介の文学とその軌跡(初期)
       ——初期の作品における三つの世界——
   /「感動をつくる・日本朗読館」主催

 第3回「東百道の朗読館」については、毎回のことだが、主催していただいた「東百道の朗読館」実行委員会に大変にお世話になった。また、今回は、マリンバ演奏(ピアノ伴奏)とのコラボレーションを行なった。音楽とのコラボレーションは本来むずかしいのだが、今回は幸いにかなり好評であった。

 第3回「東百道・講演と朗読の会」については、今回から会場を東京に移してみた。千代田区立内幸町ホールである。この内幸町ホールは、私が山梨から千葉に転居した後、初めて東京の本格的な朗読会を聴きに行った想い出のある会場である。あれから、すでに10年近くが経ってしまった。



○朗読漫画『花もて語れ』(片山ユキヲ)について

 今年の特筆すべき出来事は、何といっても、日本で初めての朗読漫画『花もて語れ』(片山ユキヲ)の連載が開始され、私がこれに「朗読協力・朗読原案」者として参画したことであろう。昨年の9月末頃に片山ユキヲ氏と小学館(担当編集者・高島雅氏)から依頼されて、協力していたのである。

 この今年の朗読漫画『花もて語れ』は、今年1月発売の『月刊!スピリッツ』(小学館)にプロローグ篇「第0話ブレーメンの音楽隊」が掲載され、4月発売の分から本格的な連載が始まった。9月末には、単行本第1巻(第0話〜第4話)が発売され、インターネットのあちこちで絶賛されている。

 この朗読漫画『花もて語れ』は、朗読そのものに関する内容について、かなり忠実に私の理論や指導のあり方を取り入れている。宮澤賢治の「やまなし」の朗読シーンなどがその典型であるが、幸いこのシーンはとても好評であった。この朗読漫画は、日本の朗読文化の向上に必ず寄与すると確信している。



○朗読の実技、理論、指導法の研究について

 拙著『朗読の理論』(木鶏社/2008年3月)を出版してから、ほぼ3年ほどが経った。この本に関する反響は着実に広がり深まっているように思われる。実は、朗読漫画『花もて語れ』へ朗読協力することになったのも、この本を担当編集者・高島雅氏が読んだこときっかけだったのである。

 私のところに口頭あるいは電話や手紙などで直に寄せられてくる反応もあるし、インターネットの朗読関係のホームページやブログなどにもボチボチと反応が出始めている。朗読漫画『花もて語れ』の登場によって、ますます拙著『朗読の理論』が読まれるようになることを期待している。

 今年の初めから、次の『朗読の上達法』の執筆にとりかかった。さらに、それと併行して『宮澤賢治の視点と心象』(仮題)という本の執筆も始めた。この本は、今後、何人かの作家の文学作品を「朗読のための文学作品論」としてシリーズで取り上げていく、その第1弾なのである。

 この「朗読のための文学作品論」シリーズは、文学作品論でもあるが、具体的な文学作品に関する朗読方法を指導する朗読方法論でもある。当面、このシリーズで取り上げようと考えている作家は、宮澤賢治、芥川龍之介、斎藤隆介、太宰治、樋口一葉、そして夏目漱石である。

 現在の私が構想している朗読関係の執筆ラインナップは、下記のとおりである。ただし、これは、他の大切な仕事も多く抱えていることから、少しづつ、少しづつ、ソロソロとやっていくことになる。「急がず、休まず」といいたいところだが、実際は残念ながら「急がず、休みながら」である。

『朗読の理論』(既刊)
『朗読の上達法』(来年中に出版を予定)
「朗読のための文学作品論」シリーズ(その第1弾として『宮澤賢治の視点と心象』を来年中に出版を予定)
『朗読レッスンのための朗読教則本』(全6巻)/出版未定

 こんな執筆構想をここに並べ立てたのは、これらを表示することによって、自分自身を後に引けない立場に立たせるためである。たとえ、実現が遅れてしまうことはあっても、上に掲げたことだけは必ずやり遂げたいと想っている。それらを通して、日本の朗読文化に少しでも寄与したいと願っている。



○皆さんどうぞ良いお年をお迎え下さい

 以上のように、今年の出来事をざっと振り返っただけでも、けっこういろいろなことがありました。その分だけ、いろいろな方にお世話になりました。それに見合ったお礼を、一人一人に申し上げることはとてもできません。そこで、まとめてお礼を申し上げます。今年一年、本当にありがとうございました。

 それらのご恩に報いるためには、来年以降、さらに頑張って私自身の仕事に孜々として励んでいくしかない、と想い定めています。そして、皆さんのご多幸とご健康を心から祈念しております。それでは、皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。

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05館長の朗読日記 586

館長の朗読日記 586   (戦後65年12月29日 新規)


○いや〜参った参った(障子紙の張り替え作業は腰にくる)

 年末における私の最大の家事は、障子紙の張り替えである。昨年はサボってやらなかったから、今年は何が何でもやらなければ、家人がもはや治まらない。

 一昨日(27日)に障子紙と糊を購入し、昨日(28日)と今日(29日)の2日がかりでようやく張り替えることができた。和室2部屋のわずか8枚の障子に2日かかったのである。

 一昨年に張り替えたときはそんなことはなかった。終わったときは疲労困憊していたが、何とか1日で済ますことができたのである。今年はとても1日ではできなかった。

 気力か体力かと問われれば、体力の方である。しかし、腕が疲れて動かなくなったとか、肩が上がらなくなった、とかいうのではない。疲労が腰にくるのである。

 私は、障子紙の張り替え作業を、2階の和室の畳の上でやることにしている。畳の上に新聞紙を盛大に敷いて、その上に障子を置いて作業するのである。

 当然、胡座をかいたり、立て膝になったり、あるいは中腰の姿勢での作業が多くなる。そういう姿勢の耐久力が極端に落ちてしまった。無理に続けていると、文字どおり冷汗が出て来る。

 これは、次回から、作戦を練り直さないと、これはとんでもないことになる。作業を年末と春先の2回に分けて行なうとか、作業を居間兼食堂兼客間のテーブルの上で行なうとか。


○夜間は台本『散るぞ悲しき』の改訂作業

 一昨日(27日)から、来年7月に開催する習志野朗読サークルの朗読発表会の台本『散るぞ悲しき』の改訂作業に入った。原作は梯久美子の同名の作品である。

 この『散るぞ悲しき』は、2007年9月に八千代朗読サークル「みちの会」と同「ことのは」の合同朗読発表会で上演したことがある。これに、習志野市在住の男性が非常に感動してくださった。

 元海軍出身の方で、硫黄島の守備に志願したが果たせなかった過去があり、習志野市が硫黄島守備の最高指揮官・栗林忠道中将ゆかりの地であることも、当然ご存知だった。

 そこで、この『散るぞ悲しき』の朗読公演をぜひ習志野市でやりたい、ということで習志野朗読サークル「茜」の立ち上げにご尽力いただき、ご本人も会員として入会されたのである。

 それから早くも3年が経った。来年の7月には「茜」も朗読ステップ3を修了し、その修了記念の朗読発表会として、いよいよその『散るぞ悲しき』を朗読公演することになったのである。

 その男性が元海軍出身の方でもあり、習志野市が戦前は騎兵隊の演習場で栗林忠道も居住していたことでもあり、今回の台本は、軍人としての栗林忠道にできるだけ焦点を絞ることにした。

 そこで、この冬休みの間に、八千代市の朗読公演で使用した台本の改訂版をつくることにした。今回の改訂作業に先立って、その元海軍出身の方のご意見を伺ったことはいうまでもない。

 この『散るぞ悲しき』は、何度読み返しても胸が熱くなる。硫黄島で文字どおり決死の覚悟で米軍と戦った二万余の日本の戦死者に心から哀悼の意を表したい。また、米軍の戦死者たちにも。

 当面、この私にできることは、残念ながら、この『散るぞ悲しき』の朗読台本の改訂版を心をこめてつくり、来年の朗読発表会に向けて、一所懸命に朗読指導と演出をしていく位なのである。

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05館長の朗読日記 585

館長の朗読日記 585   (戦後65年12月26日 新規)



○会員の皆さんは年末始の冬休みを活用して

 朗読レッスンは、毎年、12月の後半と1月の前半を休みにしている。レッスン生は主婦の方が多いから、年末始のこの時期は何かと多用であろうと考えたのである。

 ボロボロと欠席者がある中で、無理にレッスンを強行することは、ある意味で不公平になる。そこで、年末始を含むこの期間、思い切って冬休みとしたわけである。

 この冬休みを活用して、会員の皆さんは、自分なりの生活ペースの中でなるべく自宅練習に取り組んでいただきたい。ある期間、じっくりと独り練習に取り組むことはとても大切である。

 事実、この冬休み中に、それ以前には出来なかったものが出来るようになるなど、朗読のレベルがクッキリと一段向上した会員の数は、過去、けっして少なくない。

 これは、通常の朗読レッスンを改めて振り返って整理したり、それを踏まえてじっくりと独り練習をしたりした成果なのである。何事も熟成する時間というものが必要なのである。


○私も年末始の冬休みを活用して

 私も、この冬休みを活用して、集中的に原稿を執筆している。数日前に、年賀状を総て仕上げて投函したので、気分も軽く執筆にかかり出したのである。

 来年中に『朗読の上達法』と『宮澤賢治の心象と視点』(「朗読のための文学作品論」シリーズの第1作)を何とか脱稿し、出版したいと思っている。

 来年からは、少し生活の枠組を改めて、原稿を執筆する時間を増やしたいと考えている。今年あたりから、ようやく、自分の生活の全体が見えてきたような気がしている。

 自分の体力、気力、集中力、生活のリズムなどが分かってきたような気がしているのである。どこまでが出来て、どこからが出来ないか。それが掴めてきたというか。

 そこら辺を踏まえて、無理なく、怠惰に流れず、そして現実的な生活の枠組を設計し、後で後悔しないように、1日1日の時間をそれなりに充実させていきたい。


○明日から私も年末の家事その他の仕事をしなければ

 クリスマスも終わり、フィギュアスケートの全日本選手権大会も終わったことだし、いよいよ来週からは年末そのものである。明日から私も年末の家事をしなければ。

 先ず、障子の紙の張り替え。それから、正月飾り。書斎の整理整頓。庭の整理整頓。その他、いろいろな家人の家事の手伝い。これがけっこう多くてキツいのである。

 もちろん、朗読にかかわる仕事もある。この冬休み中に、来年の開催される朗読発表会のためのバック音楽を考えなければならない。それから、台本の見直しも1件ある。

 それは、来年7月に習志野朗読サークル「茜」が開催する朗読発表会『散るぞ悲しき』の台本の見直しである。これは、かつて八千代のサークルが上演したものである。

 それを、来年、ついに習志野市内で上演することになった。その経緯からいっても、この台本の見直しには、特に気合いを入れてかからなければならないのである。

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05館長の朗読日記 584

館長の朗読日記 584   (戦後65年12月21日 新規)

○年賀状を書き終えた

 人並みよりも少ない数だが、私も毎年のように年賀状を出している。特に、朗読指導を始めてからは、朗読サークルの会員に1人1人出している。

 これは、年賀状の形をかりてはいるが、実は、この一年間におけるその会員の朗読の上達ぶりと当面の課題を総括的に記し、本人に通知するものである。

 毎回、念のために文面を一度読み直すのだが、内容はそう悪くはないと思うのだが、如何せん字があまりに拙劣である。内容の良さが形無しになっている。

 喪中の会員も何人かいるが、これらの会員には普通の葉書に同じように書いた。これは、恐らく、年内に配達されるはずである。 

 とにかく、今は、年賀状をすべて書き終えてホッとしている。これが、年末のもっとも気を遣う、そして、手数のかかる仕事だからである。

○デジタル放送用のテレビを買うための下見にいった

 そろそろ、デジタル放送用のテレビに買い換えなければならない時期である。そこで、一昨日、家人と共に最寄りの電気器具の量販店に下見に行った。

 どうせハイヴィジョン用の横長テレビを買うなら、今の自宅のテレビより一回り大きいのが良い。価格を見ると、数年前とは様変わりしたように安くなっている。

 録画装置をどうするか、が最大の問題点である。テレビ内蔵型にするか、それとも外付けにするか。これまで取り貯めたビデオをどうするかも課題である。

 店員に相談してみると、ビデオも再生できる外付けの装置があるという。それと素テレビを組み合わせても、内蔵型のものと比べて、値段は変らない。

 内蔵型のものはビデオの再生装置は付いていない。また、故障したときの対応が、外付けの方が簡便そうである。どうやら、結論が見えてきた。

○年末の仕事はまだまだある

 今年は障子を張り替えなければならない。正月飾りをしなければならない。朗読関係の資料などを積みっぱなしの書斎を整理しなければならない。

 その他の諸々の仕事がまだまだ控えている。家人は、私の仕事をあれこれ数え上げて、私の冬休みを手ぐすねひいて待ちかまえていたのである。

 年末始のレッスン休みといっても、そうそう簡単には休ませてもらえない。そうそう、朗読関係の仕事(台本づくりやバック音楽づくり)もやらなくては。

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05館長の朗読日記 583

館長の朗読日記 583  (戦後65年12月17日 新規)


○船橋「はなみずき」の朗読レッスン

 昨日(12月16日)の午後3時から、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンを行なった。今回は、朗読ステップ5の14回目、朗読発表会『春琴抄』に向けた朗読レッスンの2回目である。この台本は2部構成となっているので、今回はその第2部のレッスンを行なった。

 この台本の通常のレッスンは6回を予定している。第1部と第2部を順に繰り返し、2回で1クールとし、全部で3クールの練習を行なう。その後は、立ち稽古、舞台リハーサル、本番、という具合に続いていく。『春琴抄』は用語や文体がむずかしいから、1クール目は読み方の確認が主となる。

 用語や文体がむずかしいからこそ、朗読者は自家薬籠中の物のように「語りかける語り口」で朗読しなければならない。こういう用語や文体をたどたどしく読まれたら、長時間(約2時間)聴かされる方はたまったものではない。この冬休みを、十分に練習する絶好のチャンスだと考えて欲しい。


○習志野「茜」の朗読レッスン

 昨日(12月16日)の午後6時30分から、習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスンを行なった。今回は、朗読ステップ3の8回目、芥川龍之介原作「トロッコ」の2回目である。前回は前半の素読みと朗読的な解説を行なったので、今回は後半の素読みと朗読的な解説を行なった。

 この「トロッコ」の朗読的な解説は、拙著『朗読の理論』の中にくわしく記してある。この本を出版する前は、レッスンの場でかなり丁寧に解説していたのだが、出版後の今回は、本の記述とダブるので、ある程度は省略した。「茜」の会員の皆さんは、拙著の該当部分をキチンと読んで欲しい。

 解説が一通り終わった後で、1人1人に1ページくらいづつ朗読してもらって、私から簡単なダメ出しや追加的な解説を行なった。これは、前回と同じである。全体的に、まだまだ「語りかける語り口」ができていない。まあ、今の段階(朗読ステップ3)では、これはまだ無理なのかも知れないが。


○今年の朗読レッスンは総て終了した

 実は、今回の船橋朗読サークル「はなみずき」と習志野朗読サークル「茜」のレッスンは、10月21日(木)のレッスンをスライドしたものである。第3回「東百道・講演と朗読の会」に関する会場スタッフとの打合せ日が、会場側の都合で、このレッスンと重なってしまった。

 そこで、やむを得ず、本来は10月21日(木)に行なうべき朗読レッスンを、昨日(12月16日)にスライドしてもらった。そういうわけで、他のサークルのレッスンは12月は1回なのだが、船橋朗読サークル「はなみずき」と習志野朗読サークル「茜」だけは2回やったのである。

 とにもかくにも、今回で今年の朗読レッスンは総て終了した。何となくホッとし、かすかな解放感さえ湧き上がって来る。同時に、今年もついに終わりか、という寂しさも押し寄せて来る。まさに、年の暮れを実感する瞬間である。朗読サークルの会員の皆さん、どうぞ良いお年を!!!

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05館長の朗読日記 583

館長の朗読日記 583   (戦後65年12月16日 新規)


○『花もて語れ』の「お試し読み小冊子」が送られてきた

 昨日(12月15日)に、小学館から宅急便で、朗読漫画『花もて語れ』の「お試し読み小冊子」が送られてきた。以前に、この「お試し読み小冊子」をつくることを聴いた折、出来上がったら私にも送って欲しいと頼んであったのである。

 書店にある漫画本は、立ち読みを防ぐため、ビニールで包んで中が見えないようにしている。そこで、出版社の方で特に宣伝したい本には、この「お試し読み小冊子」を書店に配布する。漫画コーナーの書棚にひもでぶら下げて、お客さんに試し読みをしてもらうためである。

 朗読漫画『花もて語れ』がネット上のあちこちで絶賛されていることなどもあって、小学館でも特に「お試し読み小冊子」をつくり、宣伝に本腰を入れることになったという話しを、以前、担当編集者の高島さんが私にしてくれたことがあったのである。


○第0話「ブレーメンの音楽隊」が抜き刷りされている

 今回の朗読漫画『花もて語れ』の「お試し読み小冊子」には、第0話「ブレーメンの音楽隊」が抜き刷りで収録されている。加えて「第1話のあらすじ」として、成人し就職した主人公・佐倉ハナが入社式で失敗する場面や、朗読と再び出会う場面が、短くまとめられている。

 その「第1話のあらすじ」には、ポイントとなる画面に添えて、次のような言葉が大きな活字で印刷されている。「22歳になった佐倉ハナ。新社会人として、いざ東京へ!!」「しかし、入社式に大遅刻刻‥‥‥そしていきなり大失敗‥‥‥」

 「公園でひとり落ち込むハナ。そこに聴こえてきたのは‥‥‥なんと朗読!」「声に引き寄せられるハナ‥‥‥そこにあったのは朗読教室!」「声の主‥‥‥それは教室の先生!!」「再び朗読と出会ったハナ。ハナの運命はここから大きく動き出す!!」


○巻末と表紙における『花もて語れ』の宣伝文句

 また巻末には、次のような宣伝文句が大きな活字で印刷されている。「朗読の声を絵で描く、漫画表現の新境地!」「朗読のイメージを覆す、熱きシーンの大連続!」「声に出して本を読む。ただそれだけのことが、こんなに熱くこんなに深い!!」

 そして、表の表紙には、次のような言葉が印刷されている。「第0話が読める! お試し読み小冊子(非売品)」「【花もて語れ】Say  it  with  flowers. 1」「片山ユキヲ (朗読協力・朗読原案)東百道」「『朗読ってすごい!』『熱くなる!』と各所にて大絶賛の嵐!」

 さらに、裏の表紙には、次のような文字が踊っている。「お蔭様でツイッター&ブログで絶賛の声多数!!」「朗読の世界は、深くそして広い。このまんがには心を揺さぶる力がある」「今までにない驚きと感動。こういう出会いがあるから漫画はやめられない!」


○この「お試し小冊子」は全国の書店に配布される

 担当編集者の高島さんのお話しでは、この「お試し小冊子」はかなりの数(1万冊?)が印刷され、全国の主要な書店に配布されるそうである。したがって、このブログをお読みになっている皆さんも、ちょっと大きめの最寄りの本屋さんなら、この実物を見ることができると思う。

 すでに、この朗読漫画『花もて語れ』(片山ユキヲ作)をご購読いただいている方々も、また、特に、まだご購読いただいていない方々は、是非、最寄りの書店に足を運んで、この「お試し小冊子」を手に取って読んでみていただきたい。

 従来の漫画のイメージとは一味違う、内容の濃い、作品世界があることを発見されるだろうと思う。そして、特に、朗読に関心のある方々には、この『花もて語れ』(片山ユキヲ作)そのものを是非読んでいただきたい。私が提唱する「感動をつくる朗読」が、濃厚に描かれているからである。

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05館長の朗読日記 582

館長の朗読日記 582   (戦後65年12月15日 新規)





○年賀状の準備をしている

 ここ数日は、ほとんどの時間を年賀状を出す準備についやしている。毎年、同じゴム版に彫ってある「謹賀新年」と「元旦」の文字を、版画のようにして年賀はがきに刷り込み、手造り印刷の年賀状を作成する。

 この「謹賀新年」と「元旦」の文字は、かつて母に書いてもらったものを、母の生前から現在にいたるまで永年わたって使い続けている。ただし、元の文字は、ゴム版に彫り移すときに、かなり肉太になってしまっているが。

 相手の氏名・住所と、相手にあてて書く文章は、必ず万年筆で手書きしている。自分の住所(と電話番号)だけは、外注し作成したゴム印を使っているが、氏名欄は空白にしてあり、自分の氏名は手書きすることにしている。

 つまり、毎年、永年にわたって使い慣れた同じゴム版を使ってはいるが、1枚1枚をすべて手造りで仕上げていく。したがって、年賀状の数はさほど多くないものの、準備にはかなりの手数と時間がかかってしまうのである。



○年賀状の宛先の現状を見てみると

 今や、私が発信する年賀状の大半は、朗読関係の知人友人に宛てたものになっている。もともと知人・友人・親戚の数は少ない方だし、元の生業(会社勤務)の関係者へ出していた年賀状はリタイアした時点でかなり絞ってしまっている。

 それにしても、毎年、少しづつではあるが、朗読関係者宛の年賀状の数が増えてきている。私が指導する朗読サークルの会員数は、昨年の同時期に比べていくぶん減っているから、増えているのは朗読サークル以外の朗読関係者である。

 半生業・半ライフワークとしての朗読活動をすでに5年以上も継続していると、やはり、少しづつではあるが、そういう知人友人が着実に増えてきている。退会した元会員の中でも、年賀状のやりとりを続けている方がいる。



○朗読サークルの会員あての年賀状は1年間のレッスン総括

 私が指導している朗読サークルの会員にあてて出す年賀状には、この1年間のレッスン成果の総括を書くことにしている。もっとも1年前の朗読レベルを克明には覚えていないから、現在の朗読評価と今後の課題を指摘することが主になる。

 その内容は、現在の朗読評価についても、また、今後の課題についても、すべて私自身の上達論に即して判定し、考案したものである。会員一人一人について、直近の朗読レッスンにおける表現と顔つきを思い出しながら、考え考え書いていく。

 その内容は普段のレッスンでコメントしていることと大差ないが、場合によって多少は突っ込んだ内容になることもある。したがって、1年間のレッスン成果の総括を書いていく私の方も、けっこう頭と神経と時間を使うことになる。






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05館長の朗読日記 581

館長の朗読日記 581   (戦後65年12月12日 新規)





○八千代「新・みちの会」の朗読レッスン

 昨日(12月11日)の午後1時30分から、八千代朗読サークル「新・みちの会」の朗読レッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ2の6回目、今回から朗読ステップ2のパート2に入る。

 朗読ステップ2のパート2とは、4月に開催する第6回「小さな朗読館・やちよ」に上演する文学作品(台本)を練習する段階である。会員全員が出演するが、出演者をA班とB班に分けている。

 このパート2においては、A班の会員は1人1作品の短い作品(朗読時間15分以内)を自由課題としてレッスンし、B班の会員は太宰治原作「美少女」を共通課題としてレッスンする。

 そして、第6回「小さな朗読館・やちよ」においては、A班の会員はその1人1作品を単独で朗読し、B班の会員は「美少女」を全員で読み継いで朗読する。そうして全員が「小さな朗読館」に参加する。

 ついでに言っておくと、パート3では、逆に、B班の会員は1人1作品(朗読時間15分以内)を自由課題としてレッスンし、A班の会員は太宰治原作「桜桃」を共通課題としてレッスンすることになる。

 そして、9月に開催する第7回「小さな朗読館・やちよ」においては、B班の会員はそれぞれその1人1作品を単独で朗読し、A班の会員は「桜桃」を全員で読み継いで朗読するのである。

 ところで、現在、この「新・みちの会」には1期生(朗読ステップ1〜6)を一通り修了した会員)、と2期生(第2期に向けて新規入会してきた会員)が、だいたい2:1の比率で混在している。

 両者の朗読を比較すると、1期生の朗読は2期生に比べると、さすがに朗読表現のレベルが高い。心情表現やイメージ表現に深みがあり、一口にいうと厚みと味のある朗読表現になっている。

 しかし、2期生は、そういう先輩の朗読を毎回のレッスンで間近に聴いているので、急速に進歩している。特に、1期生が身につけるのに四苦八苦した「語る語り口」を、すでにかなり身につけつつある。

 この「語る語り口」という一点に関してだけは、うっかりしていると2期生に追い抜かれてしまいそうな1期生さえ出てきそうな勢いなのである。この「語る語り口」などは、そういうことが実際にあり得る。

 そういう意味で、2期生もウカウカしていることはできない。まだ「語る語り口」が完全に身についていない2期生は、今こそ頑張って一気に「語る語り口」を身につけてしまうチャンスと思って欲しい。





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05館長の朗読日記 580

館長の朗読日記 580  (戦後65年12月10日 新規)



○千葉「わかば」の朗読レッスン

 昨日(12月09日)の午後1時30分から、千葉朗読サークル「わかば」の朗読レッスンを行なった。今回は、朗読ステップ5の18回目、朗読発表会向けのレッスン台本・深沢七郎原作「楢山節考」の6回目のレッスンである。今回で、この台本の通常のレッスンは終わりである。

 この台本は2部構成であるから、1回のレッスンで台本の2分の1づつやることにしている。今回は6回目であるから、台本の第2部、すなわち後半部分のレッスンを行なった。つまり、第3クールの後半ということになる。すでに、かなり仕上がっていなければならない時期である。

 会員の皆さんの朗読は、徐々にではあるが、確かに仕上がってきていた。しかし、この「楢山節考」の後半部分はかなり迫力のあるダイナミックな内容になっている。その迫力とダイナミックな内容を十分に表現するところまでは、まだ達していない。年末始の休みが頑張りどころである。

 レッスンの最後に、朗読発表会(来年2月25日)と入門教室(来年3月10日)の準備について話し合った。年末始の冬休みを除けば、来年の朗読発表会がある2月25日など、すぐ目の前である。しかも、その2週間後にある入門教室の準備も併行して進めなければならない。

 千葉市の場合には、入門教室の募集をする手段が限定されている。千葉市の広報紙「千葉市政だより」がこういう市民活動の宣伝欄をつくっていないからである。しかし、その代替となる「地域新聞」というPR専門の地域新聞があるので、そちらを活用することを考えている。



○八千代「花ことば」の朗読レッスン

 昨日(12月09日)の午後6時00分から、八千代朗読サークル「花ことば」の朗読レッスンを行なった。今回は、朗読ステップ6の16回目、朗読発表会に向けた朗読レッスンの4回目である。こちらは、朗読発表会向けの1人1作品の台本を毎回3分の1づつレッスンしていく。

 今回は4回目であるから、全回出席している会員の場合は、今回から第2クール(2巡目)の練習に入る。2巡目ともなると、会員の皆さんは、それぞれのレベルで相当に仕上げてくる。私の方も、それに合わせて、より高度なダメ出しとコメントができるようになってくる。

 これが楽しいのである。そういう高度なダメ出しとコメントを受ける当人もそうだが、傍でそれを聴いている他の会員も、心なしか楽しそうに見える。特に、他の会員がダメ出しとコメントを受けているのを、傍で聴くことは大切である。良く理解できるし、役に立つのである。

 今回から、このグループに「新・みちの会」から2人の会員が転入してきた。仕事などの関係で、昼間のレッスンに参加できなくなったためである。今回、正式に、入会の挨拶と自己紹介をやってもらった。先輩グループからの転入は、今回が2度目のケースである。

 同じ地域の朗読サークルの場合は、お互いの朗読発表会などで顔を合わせる機会が特に多いから、すでにかなりの顔なじみになっている。そして、良い意味でお互いが刺激し合うから、朗読サークル自体が活性化する。今回も、そうなることが大いに期待できるレッスン模様であった。

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05館長の朗読日記 579

館長の朗読日記 579  (戦後65年12月08日 新規)



○品川「あやの会」の朗読レッスン

 昨日(12月07日)の午前9時30分より、品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンを行なった。今回は、朗読ステップ5の12回目、朗読レッスン台本・山本周五郎原作「蜜柑畑」の6回目、この台本の最後の仕上げの通し読みである。

 レッスンを始める前に、先日の第3回「東百道・講演と朗読の会」に対して品川朗読サークル「あやの会」の会員の皆さんからいただいた多大なご支援に、心から感謝の意を表した。会員の皆さんの陰に陽にのご支援がなければ、内幸町ホールでの開催は不可能だったと思う。

 通し読みは、会員を2組に分け、各々の組ごとに1回づつ通して読む継いでもらった。この台本は、1回の通しが30分かかるから、2回で60分を要する。それに、私からの講評が40分〜50分はかかったであろう。それだけで120分のレッスン時間は残り少なくなってしまった。

 今回の通し読みでは、このグループの平均的な朗読レベルが向上していることを如実に感じることが出来た。ほとんどの会員が「語る語り口」を身につけてきたようである。しかも、かなりの会員が「語りかける語り口」になってきていた。会員数の多い効果が実証されたようで嬉しい。

 残りの時間で、来年の朗読発表会『忍ぶ川』の台本を配布し、読み継ぎの分担を発表した。この三浦哲郎原作『忍ぶ川』は、今年7月に三鷹朗読サークル「さつきの会」が、やはり朗読発表会で上演したものである。しかし、今回は「忍ぶ川」と「初夜」を合わせた台本を新たに作成した。

 そのため、上演時間が140分(2時間20分)になってしまう。これは、よほど練習をして、総ての会員が「語りかける語り口」で表現しないと、観客は途中で寝てしまう、と少々オーバーにおどかしておいた。あともう一息で「語る語り口」になる会員の背中を押すためである。

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