館長の朗読日記1940/大晦日
館長の朗読日記1940 (戦後71年12月31日 新規)
○大晦日(1)
今年(戦後71年/西暦2016年)もついに大晦日となった。この1年も忘れがたい色々な出来事があった。朗読を指導していると、朗読に関して、毎年、未知だった人との新たな邂逅があり、また、既知だった人との新たな別離がある。新たな邂逅には今後への期待のみがあるが、新たな別離には喜怒哀楽愛憎等の心情が伴なう。
私は、基本的に「来る者は拒まず、去る者は追わず」の原則を堅持しているから、比較的さっぱりした心情を保持し得ている。しかし、そうはいっても、新たな別離に関して、常に色々な意味での心情の起伏はつきまとう。朗読を指導する年月が長くなればなるほど、様々な心情の起伏が積み重なっていく。それを、面白いとも思う。
来年は、どのような心情の起伏が新たに積み重ねられるのだろうか。このブログの「館長の朗読日記」には、その心情の起伏が幾分かはこもっていると思う。なるべく「怒・哀・憎」の表現は控えるようにしているが。私はかつて、心情の積み重なりを「心塚」と個人日記に記したことがある。来年は「心塚」にどんな心が積まれるか。
○大晦日(2)
今年の朗読活動において、最も私の印象に残り、ありがたく思った出来事は、私が朗読指導している朗読サークルの会員50数名が朗読サークルの枠を超えて11月29日に私の「古希お祝い会」を開催し、祝ってくれたことである。実は、朗読サークルの会員が個々の朗読サークルの枠組を超えて多数集まったのはこれが2度目である。
戦後68年(西暦2013年)5月29日(水)に、八千代市東南公共センター・5階ホールで「『感動をつくる朗読』をめざす朗読サークル/全サークル会員総会」を開催したのだ。これは私が主催したが、約60名の会員が集まった。この総会を機に、私は「小さな朗読館」を自分の主宰で定期開催することを決意したのである。
今回の「古希お祝い会」は、千葉朗読サークル「風」と品川朗読サークル「あやの会」の会員有志が、今年の「小さな朗読館」に参加する際に食事会を催し、その席上で盛り上がって発案されたものだそうである。3年前の会員総会と今回の「古希お祝い会」の間には、今年の「小さな朗読館」を介してある因縁があったという訳である。
○大晦日(3)
私的なことを記すと、昨年から今年にかけての2年間は、私の実姉(3姉)の転居に多大な時間と精力を注いだといえると思う。実姉(3姉)も高齢になっての転居はきつかったと思うが、新居新築ための宅地購入から新居建築、さらには旧居処分のための宅地&旧居売却までを総て手伝った他の実姉(4姉)と私も相当にきつかった。
さらに、転居後の荷物類の整理整頓と新たな日常生活スタイルの確立にも時間と精力がかかった。昨年は転居そのものに、今年は転居後の生活を整えるために、各々1年間を要したのである。それらが一段落したのは、今年の10月頃、全体でほぼ2年が経過していた。実姉2人と私の3人が、本来の仕事に復帰したのは今年末である。
そういう訳で、ようやく来年から本来のライフワークと朗読活動を本格的に再開できるようになった。朗読活動に関しては、特に『朗読の上達法』『芥川龍之介の文学的軌跡』『太宰治の文学的航跡』の原稿執筆に注力する。それに、新年早々に増刷する予定の『朗読の理論』を合わせれば、日本の朗読文化にいくらか貢献できると思う。
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