05館長の朗読日記 115
館長の朗読日記 115 (戦後63年2月23日 新規)
○『朗読の理論』の版下が完成し印刷所へ
昨日、木鶏社へ行き、版下の完成に立ち合った。数日前に最終校正したゲラを木鶏社に届けたのだが、版下を作成するさいに、最終校正が確実に直っているかどうか確認するためである。また、カバーや帯を最終確認するためでもあった。
版下を作成し、それを印刷所に入れる(印刷所の営業マンが版下を受け取りに来る)までの時間帯は、出版社としては最終工程であり、大げさに言えば戦場ないしは火事場のような緊迫感がある。そのような雰囲気の中で、次々に出来上がっていく版下について、最終校正での直しをチェックしていく。
ところが、一箇所、とんでもない私の書き落としを発見した。樋口一葉の『わかれ道』に論及している箇所で、いわばトドメともいうべき結論の一部を書き落としていることに気がついたのである。その場で慌てて書き足して、その部分の版下を作り直してもらった。文章の量は半ページほどであったが、幸いにして増ページに至らなくてすんだ。全ページの割付が終わった後なので、もし増ページになったら収拾が着かなくなるところであった。思わず胸をなでおろしたが、この時点での少なからぬ加筆には、まさに身の縮む思いであった。しかし、このことだけでも、版下の完成に立ち合った甲斐があったと思えるくらい重要な加筆でもあった。
幸い、印刷所の営業マンが版下を受け取りに来る時間までには、総てが仕上がっていた。印刷所の営業マンが受け取り確認をしている過程で、カバーの版下について何か問題があったらしく、その部分については次週に持ち越しになったようだが、本文の版下については無事に印刷所に引き渡された。
私の責任はもっぱら本文にあるから、私の役割はこれをもって終了である。後は、泣いても笑っても直しは効かない。逆に言えば、後は、本が出来上がるのを待つばかりなのである。印刷・製本が順調に行けば、3月中旬には『朗読の理論――感動をつくる朗読をめざして――』の本が出来上がってくる。
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