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05館長の朗読日記 173

館長の朗読日記 173  (戦後63年7月16日 新規)

○品川「あやの会」の朗読レッスン
 品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンは、今回は朗読ステップ3の3回目、三浦哲郎の『忍ぶ川』の第2回目である。最初に、私から、後半部分の解説を行ない、残る時間で少しづつ朗読してもらった。
 このサークルの会員は、最初から入会しているひとも、途中から入会してきたひとも、皆、高く上へ出る表現、特に2音目なり1音目を高く出る表現が、かなりできてきている。
 したがって、今回のレッスン台本『忍ぶ川』については、本来のレッスン課題に集中的に取り組むことが出来るだろうと思っている。その『忍ぶ川』の本来のレッスン課題とは、①セリフとその前後の地の文とのつなぎを意識して行なう朗読表現、②地の文の中の「視点と心情の転換」を意識して行なう朗読表現、の二つである。
 この①と②が出来るようになると、それが全体の隠し味となって、朗読表現に厚みと奥行きが出てくる。そして、聴き手を知らず知らずのうちに作品世界の中に惹きつけていくのである。
 このサークルは、来年の朗読発表会の台本を8月に決定する予定になっている。自分であれこれ台本選びをしている会員、すべて他にお任せの会員、様々である。今回も、レッスンの後で、いろいろな候補作の名が挙げられたが、まだまだ絞り込むまでには至らなかった。8月まで時間もあることだし、このサークルにとって初めての朗読発表会でもあるのだから、後に悔いが残らないよう十分に話し合って決めて欲しいものである。私からは、私の眼から見て台本になりにくいと思うものもあるかも知れないので、候補作を1つに絞って決めるのではなく、3つくらいに絞り込んで希望順位をつけて提示するよう、注文しておいた。その中から、私が台本にふさわしいものを選択できる余地を残しておきたいからである。

○三鷹「さつきの会」の朗読レッスン
 三鷹朗読サークル「さつきの会」は、朗読ステップ5の2回目である。今回は有島武郎の『小さき者へ』の後半の解説と朗読練習を行なう番である。
 ただし、その前に、事前に頼まれていた朗読発表会『ガラスのうさぎ』の朗読表現の個人講評を行なった。個人講評といっても、朗読発表会のとき私はBGMの音入れを担当していたから、一人一人の朗読表現についてメモも何もしていない。したがって、台本に沿った具体的な講評のしようがない。そこで、一人一人の表現レベルの現状と今後の課題を簡単に指摘しておいた。私が指摘した内容が、会員それぞれに、どのくらい理解されたかは分からない。たとえ今は分からなくとも、いつか思い出して参考にしてもらえるときが来れば、それで良いのだと思っている。
 次いで『小さき者へ』の後半の解説と朗読練習を行なった。今回は先ず一人一人に少しづつ読んでもらい、その場その場でその朗読表現に対してコメントやダメ出しをする、という形で解説と朗読練習を行なった。全体の印象を言えば、もっともっと台本を読み込む必要がある、という一語に尽きる。
 レッスンの後で、来年の朗読発表会の台本をどうするか、という話題も出た。
 来年は太宰治の生誕100周年ということで、太宰終焉の地である三鷹市ではあちこちで太宰の作品が朗読されることが見込まれる。そこで、このサークルでもその太宰の作品を何か取り上げたい、という話しが前回に出た。ところが、その後、具体的に太宰の作品に当たってみると、今の段階で太宰の作品をステージ朗読で2時間持ちこたえるのはむずかしい、ということが実感として分かってきたらしい。他の作家のものにしよう、という声が今回は大勢となっていた。
 このサークルの台本は、12月までに決めれば間に合うから、まだ時間もたっぷりある。もうしばらくは、あれこれと台本選びを楽しんでみたらよいと思う。

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