« 01朗読会のご案内(最新イベント情報) 24 | トップページ | 05館長の朗読日記 195 »

05館長の朗読日記 194

館長の朗読日記 194  (戦後63年9月11日 新規)

○八千代「みちの会」「ことのは」合同朗読発表会
 昨日の13時30分から、八千代市勝田台文化センター・ホールで、八千代朗読サークル「みちの会」「ことのは」の合同朗読発表会『クリスマス・キャロル』を開催した。
 今回は、私が朗読指導する朗読サークルにおいては、初めて、普通の文学作品を原作とした「語り継ぐ」形式の朗読上演であった。
 これまでは、先の大戦の悲劇をテーマにした実話に基づいた作品を台本化したものを「語り継ぐ」形式によって朗読上演してきた。幸いに、観客はとても感動してくれていたが、それは、内容自体の深刻さや、事実の重み(ノン・フィクションの強み)に助けられた側面が強かった。朗読表現力による感動とは、必ずしも言い切れない側面があった。
 今回はディケンズ原作の『クリスマス・キャロル』を台本化したものの上演である。単にフィクションであるだけでなく、現実には存在し得ない亡霊や精霊が登場したり、現実にはあり得ない過去や未来の出来事や場面が現出する。まさにノン・フィクションとは対極にある、ファンタジックな完全にフィクションそのものの作品世界なのである。
 このフィクションそのものの作品世界を2時間にわたって、一人一人がただ「語り継ぐ」形式で上演していく。日本で初めての試みであるとは必ずしも断言できないが、少なくとも私の知っている範囲では皆無の試みである。果たして2時間もの長丁場を、観客に舞台に集中してもらえるものか、感動してもらえるものか。初めての試みだけに、とても心配であった。

○朗読上演の新しい道が開けた
 ところが、結果は、かなり上々であった、と思う。
 今回は、会場スタッフの方が二人ついてくれた。一人が照明、一人が音響を担当してくれた。バック音楽(BGM)も音響担当が引き受けてくれた。お蔭で、私はほぼ完全にフリーとなり、幅調室や観客席や舞台裏に自由に移動して、いろいろな角度から舞台や客席を観察することができた。
 出演者の朗読表現は、立ち稽古や舞台リハーサルのときよりも格段に良くなっていた。バック音楽(BGM)や照明との組み合わせも、かなり良かった。観客は、2時間の間、ダレることなく舞台に集中していた。第一部、第二部、第三部と各部が終わって緞帳が下りる度に沸き起こる拍手には、確かに心が籠もっていた。
 終演後、ロビーで観客の何人かとお話ししたが、その中に視覚障害の娘さんがいた。エスコート役の母上と二人連れだったが、口々に良かったという感想を述べてくださった。
 この娘さんは、文学作品が好きで、これまでも月に2回ほど、図書館などの対面朗読で文学作品を聴くのを楽しみにしてきた、という。しかし、対面朗読で長時間朗読を聴いていると、ついウトウトとしてしまうことが多いという。しかし、今回は2時間の間、ずっとイメージを頭と心の中に思い描きながら、集中して聴きとおすことが出来た、ということだった。
 私には、この娘さんのお話しが何よりも嬉しかった。まさに、わが意を得たり、という想いだった。この娘さんの感想を聞いて、今回の朗読発表会『クリスマス・キャロル』が成功したことを確信した。いや、それ以上に、普通の文学作品を「語り継ぐ」形式で2時間の長丁場を上演する、という朗読上演の新しい道が開けた、という確信を持つことができたのである。

|

« 01朗読会のご案内(最新イベント情報) 24 | トップページ | 05館長の朗読日記 195 »

05館長の朗読日記(戦後63年/西暦2008年)」カテゴリの記事