05館長の朗読日記 224
館長の朗読日記 224 (戦後63年11月07日 新規)
○船橋「はなみずき」の朗読レッスン
昨日の午後には、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンを行なった。
今回は、樋口一葉原作『わかれ道』を教材として、「場面イメージの転換」から「作品世界の象徴化」に至る過程についての講義と、それに基づく文学作品の読み込み方についての講義を行なった。
この講義は内容のレベルがかなり高いので、レッスン生にいかに分かりやすく説明するか、という点で毎回悩んでしまう。
まあ、私がどんなに上手く説明しても、また、どんなに優秀な人(学校のテストの点が良い人という意味ではない)であっても、1回聴いただけで内容の総てを理解するのは無理だと思う。今後の朗読レッスンを通して、少しづつ理解していってもらうしかない。
また、現在は私の『朗読の理論――感動をつくる朗読をめざして――』(木鶏社)が出版されているし、その中に今回の講義内容をほとんど書き込んであるから、そこの部分をくり返しくり返し読んでもらえば良いと思う。私の講義を聴いた上で読んでもらえば、より理解しやすいと思う。
今回は、最後に、来年4月に行なう朗読発表会用の台本・菅野静子原作『戦火と死の島に生きる』を配布し、朗読分担を発表した。
このグループにとっては、これが初めての朗読発表会なので、皆、緊張しつつも、張り切っている。早くもチラシの原案が出来ていて、それを基にいろいろと改良案を議論していた。来年の本番で、どのような朗読表現を聴かせてくれるのか、楽しみである。
○習志野「茜」の朗読レッスン
昨日の夜間には、習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスンを行なった。
今回から、芥川龍之介原作の『蜜柑』のレッスンに入る。
今回は、先ず、全体の素読みを、会員の皆さんに少しづつ読み継ぐ形でしてもらった。次に、私が前半部分の解説をした。そして、会員の皆さんに、今度は前半部分だけを少しづつ読み継いでもらいながら、一人づつ私から簡単なコメントを行なった。
前回までのレッスン教材『やまなし』『蟻ときのこ』が童話だったのに対し、今度の教材は大知識人でもあった芥川龍之介が書いた大人向けの作品であるから、最初の素読みと私の解説を聴いた段階では、皆、あまりの落差にとまどっていたようであった。
しかし、視点の時間的な転換を軸とした今回の作品解説は、朗読表現の基本中の基本だから、くわしく丁寧に説明した。次回も、後半部分を教材にくり返し説明するつもりでいる。
それにしても、最初の素読みと、私の解説を聴いた後の朗読とを比べると、表現の深みがまるで違っていた。これは、当たり前の話しではあるが、朗読の基本は作品解釈にあることを改めて実感した。
このグループの会員は、皆、とても熱心で、自宅での一人練習も相当しているようである。朗読は正直なもので、練習を裏切らない。会員の朗読表現は、毎回、グングン上達している。初心者でも、他人の朗読は良く分かる。会員同士が、お互いの上達振りに驚き合っているようであった。
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