05館長の朗読日記 246
館長の朗読日記 246 (戦後63年12月19日 新規)
○チューリップの球根を植える
久しく庭の手入れをしなかった。
もちろん、庭と言っても、猫の額ほどの広さしかない。猫の額ほどの広さのところに、柿、スモモ、梅、蜜柑、夏蜜柑、ビワなど生りものの木を植え、小さな花壇(らしきもの)をしつらえてある。
手入れをしないと言っても、本当に何もしないと木の枝は伸び放題、雑草は生え放題になってしまう。そこで、木の枝は私が、雑草は家内が受け持って、最低限のことはやってきた。
しかし、生りものの木に肥料をやることも、花壇に花を植えることも、ここ何年かはまったくやらなかった。したがって、木はホンのおしるし程度の果実しか生らさないし、花壇(らしきもの)にも多年草や球根性の花しか咲かなかった。
その球根性の花も、水仙のように毎年変わらずキチンとした花を咲かせるものもあれば、チューリップのように数年で見る影もない花になり、ついには全く花を咲かせなくなってしまうものもある。そういうわけで、わが花壇(らしきもの)には、久しくチューリップの花が絶えていた。
私は、水仙のように、地味ながら、清らかで味わい深い花を、毎年キチンと咲かせる植物が好きである。
しかし、大味ながらパッと華やかな花を咲かせるチューリップの花も、春の庭には欠かせない風物だと思っている。それが、ここ数年、わが花壇(らしきもの)に絶えていたので、いささか心さびしい気がしていた。そこで、昨日、遅まきながらチューリップの球根を買いに行ったのである。
ホームセンターの店員にチューリップの球根の置き場をたずねたら、店員は半ば呆れ顔で「残っていれば」といいながら置き場に案内してくれた。たしかに12月の後半では遅すぎたか、と思いながらその置き場に行ってみた。ほとんで売り切れていたが、幸いまだ多少の売れ残りがあった。値段も格安になっていた。
その売れ残りを何袋か買って、さっそくわが花壇(らしきもの)に植え込んだ。植え込んでいると、近所の子どもの手を引いた若い嫁さんが、気の毒そうな顔をしつつ「こんにちは」と挨拶してくれた。よっぽど辛そうな顔で作業をしていたらしい。いや、まったく、中腰での作業は疲れるものである。
ともあれ、こうして昨日、チューリップを植え込んだ。来春のわが花壇(らしきもの)に、楽しみが一つできたわけである。
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