05館長の朗読日記 237
館長の朗読日記 237 (戦後63年12月05日 新規)
○船橋「はなみずき」の朗読レッスン
昨日の午後には、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンを行なった。
今回は、来年4月に開催する朗読発表会用の台本・菅野静子原作『戦火と死の島に生きる――太平洋戦・サイパン島全滅の記録――』の2回目、第2部の練習である。
前回もそうだったが、次回の第3部の練習までは、第1クルー(第1巡)であるから、いわば素読みの段階である。しかも、戦争の悲劇を扱った台本を朗読すること自体が初めての経験である。戦場となったサイパン島に居る主人公の、心情や切迫感はなかなか出せないのも無理はない。
そういう切迫感を読み手の心の中につくりながら、まだ完全には身についていない「観客に語りかけるような語り口」で朗読しなければならないのだから、大変である。練習する会員の皆さんも大変だが、指導する私も我ながら大変なのである。
今回のレッスンが、今年最後のレッスンである。年末年始は約1ヶ月ほどの冬休みになる。この休みの間に、どれだけ自宅で一人練習をするか。これが大きく響いてくる。そう会員の皆さんにハッパをかけたのだが、自主勉強会の実施を含めかなり前向きの反応があったのは嬉しかった。
ところで、自主勉強会をやる場合には、お互いの向上を願う気持ちをベースに、互いに遠慮のない注意をし合わないと意味がない。自分では出来なくても、朗読を聴く耳はみんな超一流の達人なのだから、自分のことは棚に上げて、お互いに自信を持って注意し合うことが大切である。
台本の中に挿入される歌「九段の母」については、カラオケの伴奏をバックに皆で2回ほど練習してみた。ところが、指導する私が今一よく覚えていなかったものだから、なかなかうまくいかなかった。次回は、プロの歌手が歌っている録音を皆に聴いてもらいながら、再度、練習することにした。
○習志野「茜」の朗読レッスン
昨日の夜間には、習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスンを行なった。
今回は、芥川龍之介原作の『蜜柑』の3回目のレッスンである。前回は、会員からの質問に答えるのと、この台本の後半を解説するのとで、レッスン時間のすべてを使ってしまった。したがって、後半部分の練習をまったくしていない。
そこで、今回は、もっぱら後半部分の朗読練習に当てることにした。後半部分は、朗読的にも面白い内容を多く含んでいるので、少しミッチリやった方がよい、という判断もあった。
このグループの会員は、特に熱心な方が多く、私の話しを細かくノートしたり、自宅で自分の朗読を録音しながらくり返しくり返し練習してきているようである。その結果、見る見るうちに上達してきている。高く上に出る語り口も、皆、かなりできてくるようになっている。朗読ステップ1を始めめてからだ数ヶ月しか経っていない段階としては、これはものすごく高いレベルだと言える。芸事は何でもそうであろうが、特に、朗読においては「練習は裏切らない」ということが言える。
朗読ステップ1においては、①作品世界を豊かに立体的にイメージすること、と、②高く上に出て語りかけるような語り口を心がけること、の二点を軸に朗読練習してもらっている。この二つを両立させることは、初心者にはなかなかむずかしい。
しかし、②を追究しながら自分なりの「心情表現」を志し、自分なりの「心情表現」を志しながら①を追究する、という順路。あるいは、その逆の順路。その順逆二通りの順路を何回も往復することによって、徐々に①と②を両立させていくこと。これが朗読ステップのレッスンの狙いなのである。
このグループも、今回が今年最後のレッスンとなる。年末始の冬休みに自宅の一人練習をコツコツやると、来年最初のレッスンのときの朗読表現が格段に向上してくる、とハッパをかけた。冗談ではなく、来年早々の皆さんの朗読表現の向上ぶりを楽しみにしているのである。
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