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過去の朗読会の記録(2009年前期)

             (戦後64年3月21日 新規)
             (戦後64年7月16日 更新)
              

【過去のカレンダー】

●戦後64年(2009年)前期

6月28日(日)東百道の朗読館」
  /「東百道の朗読館」実行委員会

6月17日(水)朗読発表会『ヴィヨンの妻』
  /三鷹「さつきの会」(朗読ステップ5修了記念)

5月19日(火)朗読発表会『ホタル帰る』
  /品川「あやの会」(朗読ステップ3修了記念)

5月16日(土)朗読発表会『ひめゆりの少女』
    /八千代「こちの会」(朗読ステップ3修了記念)

4月30日(木)朗読発表会『戦火と死の島に生きる』
    /船橋「はなみずき」(朗読ステップ3修了記念)

3月25日(水)朗読発表会『戦火と死の島に生きる』
    /八千代「花ことば」(朗読ステップ4修了記念)

2月26日(木)朗読発表会『白旗の少女』
    /千葉「わかば」(朗読ステップ3修了記念)

【詳しいご案内】

●戦後64年(2009年)前期

「東百道の朗読館」第2回
   ――時代小説を読む――
   /「東百道の朗読館」実行委員会
〔日時〕戦後64年(2009年)6月28日(日)
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕千葉市生涯学習センター・ホール
〔演目〕
  小泉八雲原作「梅津忠兵衛」
  菊池 寛原作「仇討三態(その1)――惟念の場合――」
      <休憩>
  藤沢周平原作「鱗雲」
〔出演〕 東 百道(ひがし・ももじ) 
〔主催〕「東百道の朗読館」実行委員会(委員長:吉田光子)
〔料金〕 1000円(全席自由)
●館長メモ
 大過なく、予定通りに「東百道の朗読館」第2回が終了した。第1回は、昨年6月に「東百道・講演と朗読の会」という名称で行なったのだが、今年の第2回からは「東百道の朗読館」と改称した。改称した理由は、この千葉市での公演は、講演を止めてもっぱら朗読の方に注力し、私の「感動をつくる朗読」を楽しんでいただく内容に変更したからである。
 それだけに演目には気を遣った。朗読者には女性が多いから、武家ものの上演はめずらしい。加えて、私の朗読表現は武家ものに向いている、という実行委員会の判定もあって、今回は時代小説ばかりを3本朗読することにしたのである。
 吉田実行委員長を初めとする実行委員会の皆さんのお蔭で、300席の会場にほぼ満席のお客様がつめかけて下さった。本当にありがたいことである。なかには遠く大阪や山梨から聴きに来てくださった方々もあった。
 朗読表現の方は、観客の大多数を占める女性方には藤沢周平原作の「鱗雲」がかなり好評のようであった。特に、朗読の前後に各1回、および、朗読の途中で4回ほど挿入した途上太鼓の評判が良かった(苦笑)。少数派の男性方には菊池寛原作の「仇討三態(その1)――惟念の場合――」が好評のようであった。小泉八雲原作の「梅津忠兵衛」については、私のところに特段の感想は聞こえてこなかった。
 今回はマイク&スピーカーを使用したが、「生」の声でやった方が良かったのではないか、という意見があった。このマイク&スピーカーの使用については、私はきわめてシンプルに考えている。つまり「生」の声が無理なく通る会場の場合には「生」で、少しでも無理と思われる会場の場合にはマイク&スピーカーを使用して朗読する。これだけである。
 今回の会場のマイク&スピーカーがあまり良くなかったこともあって、後日、実行委員会で反省会を催した際には、来年は200席くらいのアット・ホームな会場で、私の朗読を「生」で聴きたい、という意見が大勢を占めた。
 会場の条件としては、客席数の他に、録音、音響、照明、会場スタッフ、交通アクセスなどさまざまな要因が満たさなければ良しとは言えない。狭い会場で、そのような条件を満たしているところは少ない。今年中には、次回の会場を決めなければならないが、実行委員会と私とであちこち当ってみることになった。

朗読発表会『ヴィヨンの妻』
   /三鷹朗読サークル「さつきの会」
〔日時〕戦後64年(2009年)6月17日(水)
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕三鷹市芸術文化センター・星のホール
〔演目〕太宰治原作『ヴィヨンの妻』
〔構成〕
  (第1部) プロローグ 第1章
        <休憩>
  (第2部) 第2章 第3章 エピローグ
〔出演〕
 飯塚ヒロ子、雀地真弓、須永孝子、高橋智江、長野ミサ子、長谷川恵理子、米原幸雄 
(三鷹朗読サークル「さつきの会」)
〔朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 予定通り6月17日の午後1時30分から、三鷹朗読サークル「さつきの会」の朗読発表会『ヴィヨンの妻』を三鷹市芸術文化センターの「星のホール」で開催した。
 この「星のホール」は座席数250で、朗読発表会にはちょうど良い会場である。来場者数は、来場者カードに記入していただいた方だけで120人を超えていた。未記入の来場者もかなりいたので、総数は確実に150人を超えていたと思われる。座席数250人の会場に150人を超す観客が入ると、ほぼ万遍なく座席が埋まっているという雰囲気になる。
 このグループの朗読発表会の来場者数は、一昨年の第1回『この子たちの夏」が約80人、昨年の第2回『ガラスのうさぎ』が約120人、そして、今年の第3回『ヴィヨンの妻』が150人超であったから、着実に増えてきている。
 今年は太宰治生誕100年ということもあって、太宰終焉の地であるこの三鷹市では特に太宰治がブームになっている。それに加えて、もともと三鷹市はかなり朗読が盛んなところである。特に6月19日の桜桃忌に近いここ数週間は、毎週市内のどこかで太宰治の作品を取り上げた朗読会が催されている。
 三鷹朗読サークル「さつきの会」の朗読発表会は、毎年今ごろ開催するので、桜桃忌の2日前になったのはたまたまであるが、結果的にはこの太宰治ブームの真っ盛りに割り込んだ形になってしまった。したがって、今回の来場者150人超の中には、今回が初めての未知の太宰ファン、あるいは、未知の朗読関係者もかなりいたようである。さらに、わざわざ遠い山梨県から聴きにきてくれた、私の朗読の後輩3人もいた。ありがたいことである。
 さて、肝心の『ヴィヨンの妻』の朗読表現であるが、何とかまあまあの線までは漕ぎ着けていたように思われる。少なくとも、普段のレッスンはもちろんのこと、つい昨日やった舞台リハーサルの朗読表現よりも格段にレベル・アップできていたことは確かである。
 今回は、第1部として「プロローグ」「第一章」を、第2部として「第二章」「第三章」「エピローグ」という構成にした。もっとも問題だったのは第1部の「第一章」であった。特に、椿屋の亭主が延々と語る「長セリフ」の部分がむずかしかった。そういう部分を含んだ第1部さえ乗り越えられれば、第2部は何とかいける、という気がしていた。
 実は、今回は、現在は事情があって休会中だが、本来とても実力のある会員(三鷹「さつきの会」の代表)が、会場でモニター役を買って出てくれていた。その会員が観察したところでは、第1部の懸案の「長セリフ」の部分で会場の雰囲気がちょっとダレかかったが、その他の部分では会場は静まり返って舞台に集中していた、ということであった。
 特に、第2部の最後になるとモニター役のその会員自身が感動してしまった。舞台で出演者たちが朗読表現している背後に、太宰治のイメージが彷彿と浮かび上がってきた、というのである。
 この会員に、このように言ってもらえたのなら、たとえ幾分かのリップ・サービスが混じっていても、今回の朗読発表会はまあまあの線までは行けていた、と判定してもよいと思われる。
 後日、八千代の先輩サークルのある会員(この方も朗読の実力者である)が、太宰治の『ヴィヨンの妻』がこういう構成で朗読上演されるとは思わなかった、という感想を語っていた。また、バック音楽(BGM)が特に良かった、という感想もあった。いずれも我が意を得たり、の感想である。

朗読発表会『ホタル帰る』
  ――特攻隊員と母トメと娘礼子――
   /品川朗読サークル「あやの会」
〔日時〕戦後64年(2009年)5月19日(火)
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕品川区荏原文化センター・大ホール
〔演目〕赤羽礼子・石井宏原作『ホタル帰る』
〔構成〕
  第1部 知覧  
      少年飛行兵と富屋食堂の小母さん「トメ」
      特攻始まる
      特攻隊員・群像
    <休憩>
  第2部 命ある限り
      赤いテープ
      アリランの歌声
      ホタル帰る
      神々のたそがれ
〔出演〕
 赤塚弘子、石井清子、大阿久加津子、片桐瑞枝、亀井久子、佐々木澄江、佐藤えつ子、志村葉子、関国子、高橋朝子、田中早苗、根本泰子、山﨑光世、山本淑子、山本扶美子、渡辺芳枝
(品川朗読サークル「あやの会」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 予定通り5月19日の午後1時30分から、品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会『ホタル帰る』を品川区荏原文化センター・大ホールで開催した。
 この会場の客席は、全437席がすべて固定式である。スピーカーの間近に位置する左右最前席のブロック(左右で50~60席分)をテープで閉鎖したから、当日の実質的な座席数は380席くらいであった。
 この380席という座席数は、今までの朗読発表会の中でもっとも多い数である。そこで「あやの会」の会員は、皆さん、来場者の数を、何としてでも200人くらいにはもっていきたい、ということで、きわめて意欲的に知人友人や地域住民の方々に宣伝したらしい。
 新聞にも積極的に働きかけ、朝日新聞や東京新聞のイベント情報欄に投稿したり、地域情報紙「月刊・しながわニュース」の記事にしてもらったりした。
 また、当日は「ケーブルテレビ品川」が取材にきており、私と池田憲昭さん(チラシとプログラムのイラストを描くことで今回の朗読発表会に参画してくれたイラストレーター)をインタビューをしたり、上演中の舞台をテレビ撮影したりしていた。
 そういう会員の皆さんの努力の結果、来場者数は何と250人のラインを超えていた。来場者名簿に記載されていた来場者数だけで230人もいたし、無記入で入場した人もかなりいたので、250人は固いと思われる。客席の模様に詳しい会場スタッフの目算でも、250人以上ということであった。
 437席(実質380席)の会場に250人の観客が座ると、かなり盛況という雰囲気になる。これが、出演者に多大なエネルギー(力)を注入してくれるのである。
 今回出演した「あやの会」の会員たちは、皆、心を込めて朗読していた。もちろん、朗読表現のレベルは、全体的にみて、まだまだの段階である。しかし、心を込めて一所懸命に表現する朗読は、巧拙を超えて聴く者の心を打つことがある。
 今回も、会員の一所懸命さが、表現の未熟さを、かなり補っていたように思われる。出演者のうちの何人かは、自分より前に朗読した仲間たちの表現や自分自身が朗読する内容に感動してしまい、泣きそうになったり、嗚咽しそうになるのを懸命にこらえているような声出しや語り口になってしまっていた。
 このような乱れは、朗読者としては、本来、あまり誉められたことではない。しかし、観客の多くも相当感動してくれていたようなので、巧まざる演技、というわけでもないが、それがまた観客の感動を呼ぶ、という側面もあったであろうことは否定できない。
 私は、今回、舞台下手の空間に幅調装置を設営してもらって、そこでバック音楽(BGM)の幅調をやった。台本には、途中に出演者が歌唱する場面が2カ所あるので、それに関してかなり微妙なバック音楽(BGM)の入れ方をする必要があった。舞台袖からは、出演者の様子が間近に観察できるので、その点ではとても具合が良かった。
 その代わり、舞台袖からは客席の様子がまったく分からない。感じでは、観客は、最後まで静かで、舞台に集中してくれていたようであったが、実際にどの程度感動してくれたかはよく分からない。
 ただ、どのサークルの場合も同じなのだが、本番の舞台の出来映えは、普段のレッスンはもちろん、立ち稽古や舞台リハーサルのときよりは、ひときわ良く出来たように思われる。
 後日、品川ケーブルテレビの「しながわEYE」というニュース番組の中で、この朗読発表会の模様が放映された。次のレッスン日にそれを録画したビデオを会員全員で鑑賞(?)したが、放映時間が4分弱と短かい割にはかなり盛り沢山の内容だった。
 先ず、受付風景と会場風景を映しながらナレーションで朗読サークルの概要を紹介し、私(朗読指導&演出)と池田憲昭さん(チラシとプログラムの挿絵のイラスト)のインタビューを流し、舞台で朗読している何人かの出演者の映像を映しながら、ナレーションで演目『ホタル帰る』の概要を紹介していた。さらに、終演後のロビーで観客の1人にインタビューして感想を語らせ、最後にサークルの女性役員2人のインタビューで締める、という構成であった。
 会場のスタッフは、皆さん、それぞれのポジションの範囲で一所懸命に協力してくださった。その意味で、大いに感謝している。しかし、会場を管理している品川区荏原文化センターに対しては、いくつか苦言を呈しておきたい。
 先ず、換気装置の騒音がひどすぎる。特に、客席の後ろ半分では耳を覆いたくなるほどの騒音であった。これでは、朗読もそうだが、音楽演奏などはまったく滅茶苦茶になってしまうだろう。ホールの利用者の立場に立って実情を把握し、早急に改善することを要求する。
 次に、当日は夏日のように暑かったにもかかわらず、エアコンを使用する期日になっていないからという理由で、エアコンの使用を拒絶された。エアコン使用の諾否は、期日で決めるべきではなく、当日の気温(ホール内の温度)で決めるべきは常識であろう。それを機械的に期日で決めるなどは、利用者の立場を無視したまさに悪しき官僚主義そのものである。猛省を促し、早急迅速な使用基準の見直しを要求する。
 こういうことは「一事が万事」である。ホールの扉の表面が綻(ほころ)びているのも放置されているし、職員の応接態度も全体的に横柄である。こういう場合は、往々にして、センターの管理責任者が悪しき官僚体質の持ち主であり、その体質がセンター全体を汚染していることが多いのである。

朗読発表会『ひめゆりの少女』
   ――十六歳の戦場――
   /八千代朗読サークル「こちの会」
〔日時〕戦後64年(2009年)5月16日(土) 
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕八千代市勝田台文化センター・ホール(3階)
〔演目〕
 宮城喜久子原作『ひめゆりの少女―十六歳の戦場―』
〔構成〕 更新!
  第1部 学園から戦場へ
       <休憩>
  第2部 南部への撤退
〔出演〕 変更!
 阿部ナカ子、石澤彰子、井上八重子、猪俣智子、植本眞弓、奥野廣子、岸田章子、小久保和子、須藤美智子、月舘はとみ、辻口恭子、依田紀美子
(八千代朗読サークル「こちの会」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 予定通り5月16日の午後1時30分から、八千代朗読サークル「こちの会」の朗読発表会『ひめゆりの少女』を八千代市勝田台文化センター・ホールで開催した。
 この会場の客席は、前半分にはパイプ椅子(最大110席)を任意に並べることができ、後半分には電動式の椅子席(216席)が自動的に出てくるようになっている。最大で326席の座席ができるようになっている。
 今回は、前半分にパイプ椅子を3列並べた。1列目は14席、2列目は16席、3列目は18席、計48席である。後半分の216席と合わせて、計264席を設営した。
 来場者数は、目算したところ、およそ150人であった。264席の会場に150人の来場者が座ると、かなり盛況という感じになる。
 出演者には、上演中は台本に集中してもらい、決して客席の方を見ないように言ってある。また、上演中は客席の照明を落としているので、たとえ眼の隅に客席が入ったとしても、来場者がどのくらいいるかまでは分からない。したがって、出演者は最後の舞台挨拶のときになって、初めて客席全体の状況を見渡すことができるわけである。
 しかし、たとえそうであっても、上演中に、何となく雰囲気で、客席の入り具合を感じ取ることができる。そして、かなり入っているという雰囲気を感じるだけで、出演者はとても元気が出るのである。
 今回出演した「こちの会」の会員たちは、皆、心を込めて朗読していた。もちろん、朗読表現のレベルは、全体的にみて、まだまだの段階である。しかし、心を込めて一所懸命に表現する朗読は、巧拙を超えてある程度は聴く者の心を打つことができる。今回も、会員の一所懸命さが、表現の未熟さを、かなり補っていたように思う。
 私は、客席空間の最後部に幅調装置を設営してもらって、そこでバック音楽(BGM)の幅調をやった。今回は、途中に出演者が歌唱する場面が3カ所あるので、それに関してかなり微妙なバック音楽(BGM)の入れ方をする必要があった。そのため、客席空間から舞台の歌唱とバック音楽(BGM)の両方を直に聴きながら幅調したのである。
 客席の最後部にいたから、バック音楽(BGM)の幅調に集中していたとはいえ、ある程度は観客の反応を感知することができた。観客は、最後まで静かで、舞台に集中してくれていたようであった。しかし、その集中の仕方、と言うか、集中の度合は、客席に水を打たす、観客に鳥肌を立たせる、固唾を飲ませる、というところまでにはいっていなかったように思う。
 多分、それは、出演者が一所懸命になったあまり少し気負い過ぎたところがあったこと、あるいは、一人練習で自分なりの工夫をこらし過ぎたところがあったことに、関係しているように思われる。その気負い過ぎ、工夫のこらし過ぎが、微妙に空回りして、観客の舞台への集中を微妙に押しとどめたのではないだろうか。
 もっとも、水を打たす、鳥肌を立たせる、固唾を飲ませる、というところまで観客を舞台に集中させることは、大変にむずかしい。立ち上げてまだ三年しかたっていないグループに、これを求めるのは少し酷かもしれない。
 後日、サークルの会員が朗読発表会を聴きに来てくださった知人友人たちの感想を聴いたところ、かなり好評だったようだが、けっこう辛口の感想もあったようだった。

朗読発表会『戦火と死の島に生きる』
  ――太平洋戦・サイパン島全滅の記録――
   /船橋朗読サークル「はなみずき」
〔日時〕戦後64年(2009年)4月30日(木)
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕船橋市宮本公民館・みやもと三百人劇場
〔演目〕菅野静子原作
 『戦火と死の島に生きる――太平洋戦・サイパン島全滅の記録』
〔構成〕 
   序  サイパン島へ
  第1部 初空襲 戦車隊の兄 敵機動部隊来襲
      敵が上陸したぞーっ
        <休憩>
  第2部 野戦病院への道 血みどろの一夜
        <休憩>
  第3部 死にゆく人びと 玉砕命令 最後の絶叫
〔出演〕
 内田洋子、亀田和子、川口好恵、久保田和子、昌谷久子、遠田利恵子、中山慶子、野中れん子、畑野欸子、広山万利子
(船橋朗読サークル「はなみずき」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 船橋「はなみずき」の朗読発表会『戦火と死の島に生きる』は4月30日の午後1時30分から、予定通り船橋市宮本公民館・みやもと三百人劇場で開催された。終演も、ほぼ予定通りの午後4時15分前後であった。
 会場として使った「みやもと三百人劇場」は、昭和63年に建てられたもので、公的な劇場(ホール)としては船橋市でもっとも由緒ある施設の一つだという。客席は前部座席(平面状)と後部座席(階段状)に分かれているが、両方とも電動式の椅子席がスイッチ一つで設営したり、格納したりできるようになっている。座席数は、前部座席112席・後部座席188席で、合計を300席である。
 舞台周りもなかなか良くできている。上から降りてくる緞帳の他に、左右から閉じてくる引き幕も設置されている。副調室は客席後方(2階部分)にあり、その前がベランダ状になっている。開演に間に合わなかった来場者は、このベランダ脇の扉から入場し、観客の邪魔にならないように、舞台が一区切りするまでこのベランダで立ち見をするようになっている。なかなか良く考えられた設計である。
 今回の来場者数は、目算したところ、およそ200人であった。これは私の予想を大きく上回った。会員各位が、各自の知人友人に熱心に声をかけて勧誘してくれた成果であろう。また、今回『地域新聞』(船橋版)の一面に大きく取り上げられたことも、かなり効果があったようである。八千代市に比べて人口が3倍もある船橋市は、こういう場合の効果も人口の比例以上に大きくなるようである。
 300席の会場に200人の来場者が座ると、ほぼ満席という感じになる。もちろん、全座席数の3分の2であるから、よく見ればかなりの空席がある。しかし、観客は適当にバラけて座っているので、観客席全体が満遍なく埋まっているように感じられる。そして、この一見満席のように感じられるという事実が、観客の心を何となく浮き立たせ、その観客の心が出演者にはとてもありがたい元気の元になってくるのである。
 そのせいか「はなみずき」の会員たちは、皆、心を込めて夢中になって朗読していた。
 朗読表現そのものは、まだまだ未熟な段階である。私の朗読指導がもっとも長い会員で3年間、もっとも短い会員にいたってはわずか1年半の指導期間である。語りかける語り口どころか、読む語り口のうちでもまだ心情表現が不十分な段階にある会員もいる。
 しかし、気持というか、熱意というか、心を込めて一所懸命に表現する朗読は、表現の巧拙を超えて聴く者の心を打つ場合がある。多少とも朗読に関係している観客は、批評家のような聴き方をするからそうでもなかったかも知れないが、こういうステージ朗読が初めての観客はそれなりに素直に感動してくれたのではないだろうか。客席のあちこちで涙を拭いている人もいたという。
 今回は、私は副調室にこもってバック音楽(BGM)の音出しに集中していたから、観客の反応はよく分からなかった。
 朗読発表会直後のレッスンのときに、会員たちに知人友人から聴いた感想や意見を披露してもらった。私が指導・演出する朗読発表会を初めて聴いた知人友人は、皆、感動してくれたようであった。しかし、中には、出演者一人一人の朗読表現の良否について、かなり忌憚の無い感想を言ってくれた方々もいたようであった。
 それにしても、今回やった『戦火と死の島に生きる』はつくづく難しい台本であった。特に第1部は難しかった。この手の台本のなかでは、最上級者向けといってよいほどの最難関の台本ではなかったかと思う。私が朗読指導してから3年あるいはそれより短い期間しか経っていない「はなみずき」の会員たちが、なかなか歯が立たずに手こずったのも無理はない。
 しかし、そのお陰で、会員一人一人が今抱えている課題がきわめて明瞭になった。来年の朗読発表会に向けて、その課題をクリアするように一つじっくりと厳しく指導していくことにしよう。会員各位は覚悟しておくように。
 なお、当日、ロビーで、プログラムの絵を描いてくださった池田憲昭さんの絵画とポストカードの展示&即売を行なった。視覚に障害を抱えている池田さんを支援するボランティアの方々も、何人か手伝いにきてくださっていた。お陰様で、ロビーが芸術的なとても良い雰囲気になった。このような形での絵画とのコラボレーションは大歓迎である。池田憲昭さん、および、彼を支援するボランティアの方々に、心からお礼を申し上げたい。
 ちなみに、そのロビーで拙著『朗読の理論』を買ってくださった方が何人かあった。サインをしながら、短いお話しを交わしたが、いずれも、朗読に何らかの関係をもっている人のようであった。この事実は非常にうれしかった。もし、今後もこの調子で、朗読発表会ごとに、朗読関係者に何冊かづつ売れていけば、これはかなり大きな意味をもってくるのではなかろうか。

朗読発表会『戦火と死の島に生きる』
  ――太平洋戦・サイパン島全滅の記録――
   /八千代朗読サークル「花ことば」
〔日時〕戦後64年(2009年)3月25日(水) 
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕八千代市勝田台文化センター・ホール(3階)
〔演目〕菅野静子原作
 『戦火と死の島に生きる――太平洋戦・サイパン島全滅の記録』
〔構成〕
   序  サイパン島へ
  第1部 初空襲 戦車隊の兄 敵機動部隊来襲
            敵が上陸したぞーっ
        <休憩>
  第2部 野戦病院への道 血みどろの一夜
        <休憩>
  第3部 死にゆく人びと 玉砕命令 最後の絶叫
〔出演〕
 安部奈々子、佐藤敏子、島香代、鈴木茜、百咲文惠、永田空、沼本嘉幸、本間かおる
(八千代朗読サークル「花ことば」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 八千代「花ことば」の朗読発表会『戦火と死の島に生きる』は3月25日の午後1時30分から、予定通り八千代市勝田台文化センターのホールで開催された。終演も、ほぼ予定通りの午後4時15分前後であった。
 この会場は、前半部分に可動の椅子席を最大で110席設営でき、後半部分には電動式の椅子席を216席設営できるようになっている。最大で326席が設営できるホール、というわけである。
 前半部分の椅子は、主催者が自力で自由に設営することになっている。実は、本番当日の最大の準備作業は、そのための椅子運びなのである。最大の326席が必要になるほど来場者が見込めないし、準備作業をなるべく軽減したいという思惑もあって、前半部分の可動の椅子席はゆったりとした配置で、48席分とかなり少なめに設営した。したがって、当日の最大収容客席は264席ということになった。
 来場者数は、受付で記帳してもらった来場者リストには120人の名が記されていた。しかし、会員たちがそのリストと実際に会場で出会った知人友人の顔ぶれを比較してみると、リストに記帳しなかった来場者がかなりいたとのことで、実際の来場者数は170人くらいではなかったか、ということである。ともかく、そのくらいの来場者が264席の会場に入ると、かなり盛況という感じになる。そして、それが出演者にはとてもありがたい元気の元になるのである。
 そのせいか、今回出演した「花ことば」の会員たちは、皆、心を込めて夢中になって朗読していた。
 朗読表現そのものは、全体的にみてまだまだの段階であった。しかし、気迫というか、熱意というか、会員たちが心を込めて一所懸命に表現する朗読は、表現の巧拙を超えて聴く者の心を打ったようである。
 ある会員の話しでは、来場してくださった方のご主人が電話で「家内があなたが出演した朗読発表会から帰ったときは、興奮状態でした。朗読でこんなに感動するとは思わなかった。朗読というものを見直した、と言っていました」というようなことを伝えてきた、ということであった。
 また、わざわざ聴きにきてくれた知人友人が、出演者に面と向かっては、良く言うのが当たり前で、悪くいうはずがないことは重々わかっていても、後で知人友人がわざわざ電話してくれたときのあのほめ方はかなり本気だった、というような話しも会員から披露された。
 今回は、客席の最後列に幅調装置を設営してもらって、そこで私がバック音楽(BGM)と効果音の幅調をやった。かなり複雑な効果音を使う必要があったからである。しかし、そのために、客席の反応、来場者の受け止め方は、私もかなり間近に感ずることができた。
 客席は終始静かであった。静かというよりも、静まり返っていた、と言った方が適切かもしれない。来場者は最後まで舞台に集中してくれていたようであった。
 出演した会員たちも、朗読をしながら、ある程度は観客の反応を感じ取っていたらしい。客席がシーンとしていて、気持ちが舞台に集中している感じ。あるいは、客席のあちこちで観客が目や鼻を押さえて泣いている感じ。そういう雰囲気を感じながら、朗読していたというのである。
 それにしても、今回やった『戦火と死の島に生きる』はかなり難しい台本であった。特に第1部は難しかった。したがって、効果音で朗読表現を補強する必要があると判断し、かなり強引に効果音を入れてみた。第2部と第3部は通常のバック音楽(BGM)を入れるに止めておいたが、全体として果たしてどうだったかは、正直言って自信がない。事実、第1部の効果音が大きすぎてうるさかった、という感想もあったようである。
 私が指導する他の朗読サークルの会員たちは、全体として、冷静に、しかも厳しい耳で聴いていたようである。それ以外の朗読経験者、特に、アクセントを重視している朗読経験者は別の意味でさらに厳しい評価をしたかもしれない。
 それはそれとして謙虚に耳を傾け、反省する必要がある。しかし、初めてこういうステージ朗読を聴いた観客が、感動し、あまつさえ、興奮してくれた、ということも事実であったようである。その点で、いくらかの自信も持って良いと思う。
 なお、当日、ロビーで、プログラムの絵を描いていただいた池田憲昭氏の絵画とポストカードの展示&即売を行なった。このような形での絵画とのコラボレーションは大歓迎である。御陰さまで、ロビーがとても華やいで、良い雰囲気になった。池田憲昭氏、および、彼を支援するボランティアの方々に、心からお礼を申し上げたい。
 ちなみに、そのロビーで拙著『朗読の理論』の販売も行なったが、買ってくださった方が何人かあった。これは、正直、意外であったが、非常にうれしかった。

朗読発表会『白旗の少女』
   /千葉朗読サークル「わかば」
〔日時〕戦後64年(2009年)2月26日(木) 
     開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕千葉市生涯学習センター・ホール
〔演目〕比嘉富子原作『白旗の少女』
〔構成〕
  第1部 避難民の群れのなかへ
         <休憩>
  第2部 おじいさん、おばあさんとの運命的な出会い
         <休憩>
  第3部 わたしの役目は、生きつづけること
〔出演〕
 石井春子、井手陽子、金子可代子、小出ケイ、白潟洋子、高木幸恵、古内恵美子、松田てる子、脇田香寿美
(千葉朗読サークル「わかば」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔参加〕入場無料(全席自由)
●館長メモ
 今回は、このグループとしては、初めての一般公開での朗読会だったので、朗読表現をはじめとした舞台の出来具合が、私としてもかなり気になった。そこで、ご来場いただいた方々からのご感想やご意見を、いろいろと、直に聞いたり、人を介して聞いたりしてみた。
 朗読表現については、初めての朗読発表会にしては、とか、朗読を始めてから3年目にしては、とかいう留保条件はついてはいるが、かなり好評であった。特に、9人の会員が一つの作品を読み継いで行った点については、読み継ぎがスムーズで、継ぎ目のところに違和感が感じられなかった、という好意的な感想が多かった。
 また、朗読表現そのものについては、聴き手の心にあたたかいものが染み透ってきて、その余韻がいつまでも心に残っているような感じがした、と評してくれた方があったということである。
 この評価が、私にとってはもっとも心嬉しいものであった。
 別の会員は、昔からの朗読仲間に、わずか3年でああいう朗読ができるようになるのね、と感心されたということであった。
 バック音楽(BGM)も朗読と良く調和して、適切な雰囲気を醸しだしていた、ということであった。緞帳がないことや、照明が一人一人に当たらないことなど、私が気にしていたいくつかの懸念点も、観客の側からはそれほど気にならなかったようであった。
 まあ、当日の観客は、出演者の知人友人が多かったから、面と向かって辛口の批評をする筈がないから、かなり割り引いて聴かなければならない。しかし、全体としてまあまあ良かったのではないかと考えている。
 ちなみに、当日の来場者数は100人は確実に超えていた。会場の客席数は300席であったが、見た目には、まあまあの入りだな、という感じになっていた。

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