02過去のイベント記録/戦後65年(2010年)前期
過去のイベント記録/戦後65年(2010年)前期
(戦後65年03月22日 新規)
(戦後65年07月12日 更新)
【過去のカレンダー】
●戦後65年(2010年)前期
6月30日(水)第3回「東百道の朗読館」
/「東百道の朗読館」実行委員会
6月27日(日)朗読漫画『花もて語れ』第3話掲載
/小学館『月刊!スピリッツ』8月号
6月13日(日)第11回「市民が読む 太宰治作品朗読会」
/連雀地区住民協議会文化部会/みたか観光ガイド協会
5月27日(木)朗読漫画『花もて語れ』第2話
/小学館『月刊スピリッツ』6月号掲載
5月25日(火)朗読発表会『流れる星は生きている』
/品川「あやの会」(朗読ステップ4修了記念)
5月15日(土)朗読発表会『広島の姉妹』
/八千代「こちの会」(朗読ステップ4修了記念)
5月10日(月)第4回「小さな朗読館・やちよ」
/八千代「新・みちの会」
4月27日(火)朗読漫画『花もて語れ』第1話
/小学館『月刊スピリッツ』6月号掲載
4月21日(水)朗読発表会『流れる星は生きている』
/船橋「はなみずき」(朗読ステップ4修了記念)
3月26日(金)朗読発表会『日本婦道記』
/八千代「花ことば」(朗読ステップ5修了記念)
3月13日(土)品川朗読交流会 Vol.2
/品川「あやの会」など3グループ共催
2月24日(水)朗読発表会『あの日夕焼け』
/千葉「わかば」(朗読ステップ4修了記念)
1月27日(水)朗読漫画『花もて語れ』第0話
/小学館『月刊スピリッツ』3月号掲載
【くわしい内容】
●戦後65年(2010年)前期
第3回「東百道の朗読館」
〔日時〕戦後65年(2010年)6月30日(水)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕千葉市ハーモニープラザ
女性センター(3階)イベントホール
〔プログラム〕
○第1部
【朗読】久世光彦原作「マイ・ラスト・ソング」より
「アラビアの唄」
「港の見える丘」
「ハイケンスのセレナーデ」
朗読/東百道 演奏/岡谷有紀・直江弘子
【マリンバ演奏】岡谷有紀(ピアノ伴奏/直江弘子)
「歌の翼に」メンデルスゾーン作曲
「荒城の月」滝廉太郎作曲/朝吹英一編曲
「ロンドンデリーの歌」アイルランド民謡
「チャルダッシュ」モンティ作曲
<休 憩>
○第2部
【朗読】太宰治原作「カチカチ山/「お伽草紙」より」
朗読/東百道 (演奏/岡谷有紀・直江弘子)
〔主催〕「東百道の朗読館」実行委員会
〔参加〕前売券1000円(全席自由/200席)
《館長メモ》
今回は、昨年に比べて変更した点が二つある。
一つは、会場を昨年使用した千葉市生涯学習センター・ホールから千葉市ハーモニープラザのイベントホールに変更した点である。
千葉市生涯学習センター・ホールは、客席空間が舞台から見て縦長であるだけでなく、客席数も300席と多いので、舞台と客席が離れた感じで、その一体感が醸成しにくい。それに比べて、千葉市ハーモニープラザのイベントホールの方は、客席空間が舞台から見て横長である上に、客整数が200席と少ないので、舞台と客席が近しい感じで、その一体感がすごくある。
二つは、昨年までの絵画(池田憲章さんのイラスト)とのコラボレーションに加えて、音楽演奏(マリンバ演奏/ピアノ伴奏)とのコラボレーションを追加した点である。
絵画と朗読は、それぞれ視覚的な表現と聴覚的な表現であるから、コラボレーションといっても、互いの関係はそれほど近くはない。しかし、音楽演奏と朗読とでは、両方ともに聴覚的な表現であるから、互いの関係がものすごく近い。それだけに、逆に、うまくコラボレートすることがむずかしい。
これまで私も、数は少ないが、音楽演奏と朗読のコラボレーションと称するものを視聴してきた。そのどれもが、成功しているとは思えなかった。一つの表現作品として、何故に音楽演奏と朗読をコラボレートしなければならないのか。その必然性、というか、必要性が明確でないと、せっかくの音楽演奏と朗読の組合せが生きてこないのである。
今回の第3回「東百道の朗読館」に関しては、各朗読サークルのレッスンのときに、いろいろな感想や意見を口頭でいただいている。その他にも、葉書や手紙あるいはメールなどにより、文章で、感想や意見をいただいてもいる。文章でいただいた感想や意見については、本人の了承を得たものに関して、別途「13館長に寄せられた感想・意見」欄に掲載している。
朗読漫画『花もて語れ』第3話
〔発行日〕 戦後65年(2010年)6月27日(木)
〔掲載誌〕 『月刊スピリッツ』(2010年8月号/小学館)
〔標 題〕 第3話「やまなし(2)」
〔内 容〕 主人公・佐倉ハナは宮沢賢治ほ「やまなし」を、
藤色きなり先生に色々とヒントをもらいながら、
その作品世界の内容的な意味を読み解いていく。
二匹の蟹の兄弟のイメージとそのセリフの意味。
蟹の兄弟の視点から見える谷川の底のイメージ。
そういうイメージで心を込めて朗読を始めると、
朗読に無関心だった社長のお嬢さんの眼が……。
〔作 者〕 片山ユキヲ
〔朗読協力〕東百道(日本朗読館)
〔取材協力〕NPO日本朗読文化協会
(理事長・城所ひとみ 協会講師・児玉朗)
〔参考文献〕『朗読の理論』(東百道著・木鶏社)
〔担当編集者〕高島雅
〔定 価〕550円
《館長メモ》
今回は、宮沢賢治作「やまなし」に関して、朗読的な読み込み方、イメージの造形の仕方などが、視点の転換を軸に、かなり丁寧に描かれている。
片山ユキヲさんは、私が拙著『朗読の理論』の中に記した朗読の理論の内容と、参考例としてくわしく解説した宮沢賢治「やまなし」の朗読的な解読の内容を、かなり的確に認識し、それを絵画(=漫画)によって視覚的に再表現している。
漫画としての展開も、いよいよノッてきな、という感じである。
第11回「市民が読む 太宰治作品朗読会」
〔日時〕戦後65年(2010年)6月13日(日)
開演13時00分
〔会場〕三鷹市連雀コミュニティセンター
〔プログラム〕
「黄金風景」 飯塚ヒロ子
「瘤取り」 川原美智子
「桜 桃」 増田 純子
「貧の意地」 原 逸子
「走れメロス」 田中 龍平
〔主催〕連雀地区住民協議会文化部会/みたか観光ガイド協会
〔参加〕参加費無料
《館長メモ》
この朗読会は、本来「感動をつくる・日本朗読館」とは何の関係もない催しである。
ただ、今回は、私が朗読指導している三鷹朗読サークル「さつきの会」の会員の一人が出演し、太宰治原作「黄金風景」を朗読することになっている。当人からの依頼に基づき、私は「黄金風景」の朗読の個人レッスンを行なった。
私は、原則として、個人レッスンは行なわないことにしている。しかし、この太宰治の「黄金風景」については、通り一遍の解釈で朗読して欲しくない、という私の想いが強かった。幸い、三鷹朗読サークル「さつきの会」の朗読レッスンの前には、晩飯のための時間が約1時間とってある。そこで、その1時間を利用して、例外的に個人レッスンを行なったのである。
そういう経緯があったので、本来は何の関係もない筈の、このイベントのことをここに記したのである。
ちなみに、当日、この朗読会を聴きに行った「さつきの会」の会員の話によると、飯塚ヒロ子さんの「黄金風景」の朗読はとても上手だった、ということである。
朗読漫画『花もて語れ』第2話
〔発行日〕 戦後65年(2010年)5月27日(木)
〔掲載誌〕 『月刊スピリッツ』(2010年7月号/小学館)
〔標 題〕 第2話「やまなし(1)」
〔内 容〕 主人公・佐倉ハナは新入社員としての研修中も、
うまく話すことができず怒られっぱなしの連続。
何か一つでも得意なものはないのかと問われて、
これまで唯一ホメられたことのある「朗読」と、
思わず答えて「字が読めりゃ、誰でもできる」、
とまた皆に笑われ、またまた落ち込んでしまう。
その夜に偶然にまた朗読教室の人たちに再会し、
試しに宮沢賢治作「やまなし」を朗読するよう、
朗読教室の藤色きなり先生にすすめられる……。
研修中のある日人事部長に呼び出されたハナは、
会社の大切な取引相手の会社の社長に紹介され、
社長のお嬢さんに朗読を聴かせるよう頼まれる。
〔作 者〕 片山ユキヲ
〔朗読協力〕東百道(日本朗読館)
〔取材協力〕NPO日本朗読文化協会
(理事長・城所ひとみ)
〔参考文献〕『朗読の理論』(東百道著・木鶏社)
『朗読のススメ』(永井一郎著・新潮文庫)
〔担当編集者〕高島雅
〔定 価〕550円
《館長メモ》
いよいよ宮沢賢治作「やまなし」の朗読に入っていく。
それにしても朗読表現の例文としして「その時、私は『お母さん』と言った」が出てきたり、藤色きなり先生のセリフとして「朗読はイメージに始まり、イメージに終わる」とか「イメージをつかむために大事なのは…『視点の転換』」と言われているのは、いささか面映い。これらは総て、拙著『朗読の理論』(木鶏社)の中で、私が主張し、展開していることが、そのままの形で採用されているからである。
朗読発表会『流れる星は生きている』
〔日時〕戦後65年(2010年)5月25日(火)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕品川区荏原文化センター・大ホール
〔演目〕藤原てい原作『流れる星は生きている』
〔構成〕
第1部
一.宣川の日本人会に引揚げの機運動く
二.三百円儲けた話
三.観象台疎開団の分裂
四.親書の秘密
五.赤土の泥の中をもがく
六.凍死の前
七.かっぱおやじの禿頭
<休 憩>
第2部
八.二千円の証文を書く
九.市辺里につく
一〇.草のしとね
一一.川を渡るくるしみ
一二.死んでいた老婆
一三.三十八度線を突破する
〔出演〕
赤塚弘子、石井清子、片桐瑞枝、佐々木澄江、佐藤えつ子、志村葉子、関国子、高橋朝子、田中早苗、根本泰子、山﨑光世、山本淑子、山本扶美子、渡辺芳枝
(品川朗読サークル「あやの会」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔主催〕品川朗読サークル「あやの会」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
予定通り、戦後65年5月25日(火)の午後1時30分に品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会『流れる星は生きている』を開演した。会場は、品川区荏原文化センター・大ホールである。
午前9時30分に会場へ全員が集合し、舞台&会場の設営準備、記念写真の撮影、直前の最終ミニ・リハーサルを行なった。特に、今回は、直前において舞台の一部を変更したため、開場時間まで1時間を切ってしまうまで最終ミニ・リハーサルを念入りにやった。その1時間を切ったなかで、皆で昼食をとり、受付などの最終準備をしたので、かなり慌ただしかった。
最終ミニ・リハーサルを念入りにやったのは、事情により急きょ出演できなくなった会員の朗読部分を、他の全員が細かく分けて朗読することでカヴァーすることにしていたのだが、その部分の舞台上の動きをちょっと変更したためである。
今回の来場者数は大体200人くらいであった。昨年は250人を超えていたから、それに比べるとちょっと少ない感じであった。人数の割に少なく感じられたのは、この会場がの座席数437席というようにかなり広いことも影響している。もし、座席数300席くらいの普通の会場であったら、200人も入れば大盛況という感じになったと思う。
会員の朗読表現は、まあまあので出来栄えではなかったかと思う。もちろん、一人一人の朗読を細かく見ていけば、いろいろと言いたいことはある。しかし、立ち稽古や舞台リハーサルのときの朗読表現に比べたら、格段に良くなっていた。
まあ、観客はそういう過去の経緯はまったく知らずに、本番当日の朗読表現だけを聴いて、その出来栄えを判定する。だから、立ち稽古や舞台リハーサルに比べて良くなったということは、観客の立場に立った場合にはあまり意味がないかも知れない。しかし、朗読指導者としての私は、朗読発表会も大きくレッスンの一環として位置づけているから、その点がもっとも気になるところなのである。
本番では、直前において舞台の一部を変更したところもスムーズにうまくいったし、照明関係(ホリゾントの照明と出演者に当てる照明)も、バック音楽(BGM)の音出しもかなりうまくいった。ただし、ホリゾント照明に関しては、色彩がきつすぎて眼が痛くなったという観客の意見もあった。
音声関係については少し音量が大きすぎたという意見もあったが、最後部の座席でモニターしていた家内によれば、あれくらいでちょうど良かったということであった。
ロビーで何人かの観客の方々とお話ししたが、その中で非常に嬉しかったことがある。それは、会員の知人で、近隣で朗読を教えている方が話してくれた内容である。その方は、昨年の朗読発表会『ホタル帰る』も聴きに来てくれて、こういう朗読公演のやり方もあるのか、と非常に感動したという。そして、自分が朗読指導しているグループでも、近々、同じスタイルの朗読会を開催するという。すなわち、先の大戦の悲劇に関するものを、全員で読み継いで朗読するという。
私は、こういう形で、先の大戦の悲劇を朗読で語り継ぐスタイルの朗読会が、次々と広がっていくことは大歓迎である。スケジュールが合えば、是非、聴きに行きたいと考えている。
後日、出演者たちから紹介された観客(会員の知人友人)の感想&意見でも、全体的にかなり好評だった。また、共通していたのは、昨年に比べて出演者の朗読が格段に上達していた、という感想であった。当日、私もロビーでお話した例の自分でも朗読指導している方が、知人である出演した会員に、出演者が皆とても良く「間」が取れていた、と熱を込めて誉めてくれたいう。
朗読発表会『広島の姉妹』
〔日時〕戦後65年(2010年)5月15日(土)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕八千代市勝田台文化センター・ホール(3階)
〔演目〕山本真理子原作『広島の姉妹』
〔構成〕
第1部 「馬、馬、でてこい」「瓦に埋まって」
「姉さんも、やられとる」「防空壕で」
「炎と竜巻」
<休 憩>
第2部 「黒い雨」「おにぎり」「野宿」
「死んだらいけん」「姉さん、でてこい」
〔出演〕
井上八重子、猪俣智子、植本眞弓、大西紀子、奥野廣子、小久保和子、須藤美智子、月舘はとみ、辻口恭子、依田紀美子
(八千代朗読サークル「こちの会」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔主催〕八千代朗読サークル「こちの会」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
予定通り、戦後65年5月15日に、八千代朗読サークル「こちの会」の朗読発表会『広島の姉妹』を上演した。会場は、八千代市勝田台文化センター・ホール(3階)であった。
観客数は、目算したところ100人程度であった。
この会場の客席は、前半分にはパイプ椅子(最大110席)を任意に並べることができる。今回も、いつもの通り、48席分を3列に並べた(1列目14席、2列目16席、3列目18席)。後半分には電動式の椅子席が216席分自動的に出てくるようになっているから、座席数は合計で264席である。最大で326席の座席ができる。
264席の会場に100人の観客が座ると、やや少ないかな、という感じであった。
私は、今回も、客席空間の最後部でバック音楽(BGM)の幅調をやった。客席の最後部にいたからある程度は観客の反応を感知することができた。今回は、台本の内容にそれほど起伏がなく、どちらかといえば朗読表現がむずかしいものであった。したがって、2時間もの長丁場を途中でダレることなく、最後まで引っ張っていけるか心配であったが、観客は、最後まで静かに舞台に集中してくれていたようであった。
出演者も2度目の朗読発表会であるためか、かなり落ちついていた。気負いすぎることもなく、しかし、気持を込めて朗読表現していたようである。朗読表現のレベルも昨年に比べると、全体的にかなりアップしていた。
終演直後、ロビーで何人かの観客の感想を聴いたが、おおむね好評であった。
後日、改めて紹介された、聴きに来てくれた会員の知人友人の感想&意見はいろいろとあった。それは、おおむね好評だった。聴き手の側でも、広島の原爆体験はこれまでかなり知らされているし、話の内容も全体的にそれほど変わったものではないにもかかわらず、思わず引き込まれて聴いてしまった、ということであった。初めて、聴きに来てくれた方々は、素直に感動してくれたし、昨年に引き続いて聴きに来てくれた方々は、共通して、全体的に朗読表現が昨年よりは格段に上達していた、といってくれたようである。
第4回「小さな朗読館・やちよ」
〔日時〕戦後65年(2010年)5月10日(月)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕八千代市緑が丘公民館・多目的ホール
〔演目&構成〕
河西礼子 「よじょう」山本周五郎原作
成川洋子 「おぼろ月」藤沢周平原作
<休 憩>
小林正子 「水籠(みずごもり)」伊藤左千夫原作
大塚拓一 「糸車」山本周五郎原作
<休 憩>
桜井芳佳 「葉っぱのフレディの話」久世光彦原作
「十七回忌」久世光彦原作
上田悦子 「二粒の飴」山本周五郎原作
三井若菜 「不断草」山本周五郎原作
〔出演〕
桜井芳佳、上田悦子、大塚拓一、河西礼子、小林正子、成川洋子、三井若菜
(八千代朗読サークル「新・みちの会」より7名)
〔朗読指導〕 東 百道
〔主催〕八千代朗読サークル「新・みちの会」
〔参加〕入場無料(座席数100席/全席自由)
《館長メモ》
とうとう「小さな朗読館・やちよ」が本格的に再開されることになった。この「小さな朗読館・やちよ」は、かつて数年前に私が主宰して試行的に3回まで開催したものである。しかし、当時はまだ諸々の意味で機が熟していなかったので、一応3回で中断したのであった。
昨年9月に八千代朗読サークル「新・みちの会」が第1期・朗読ステップ1~6を修了し、10月から第2期・朗読ステップ1~6に突入した。その一年目(朗読ステップ1)の成果を発表する場として、今回は第4回として「小さな朗読館・やちよ」を再開することになったのである。
当面は、八千代朗読サークル「新・みちの会」が主催&上演していくが、今後、八千代市地域の他の朗読サークルが第2期に突入していけば、各サークルが回り持ちで主催&上演していくことになるとイメージしている。
今回の会場は八千代市緑が丘公民館・多目的ホール。開場が午後1時00分、開演がの午後1時30分であった。
会場の客席数は、消防法の規定により100席が上限ということなので、その上限の100席を用意した。来場者数は入場者名簿によれば70名~80名、それに会員が十数名が加わるから約90名。ほぼ満席に近い入りである。ただし、客席の他に、出演者用の椅子を壁際に配置したこともあり、また、入場者名簿に記載された入場者が常に在席していたわけではないから、会場の雰囲気としてはもう少し空席が多い状況であった。
入場者は、出演者の友人知人や私が指導している他の朗読サークルの会員がほとんどを占めていた。八千代市の市報などを見て来場した、いわゆる一般市民は少ないようであった。
この「小さな朗読館・やちよ」は、単に朗読サークルの会員が自分たちの成果を発表する場を確保するためだけでなく、広く八千代市やその周辺の一般市民に朗読を聴く楽しさを味わってもらうことを主な目的にしている。
その目的からすると、今回の第4回「小さな朗読館・やちよ」はまだまだ序の口である。登山でいえば、やっと登山口から登りかけたところくらいであろうか。今後は、徐々に、朗読を楽しみに聴いてくださるファンをコツコツと増やしていきたいと思っている。
一般市民が朗読を聴く耳は鋭くて高い。レベルの低い朗読は、最初の1~2回は何とか誤魔化せても、すぐにそのレベルの低さを見抜かれてしまう。世間的に有名な朗読家の場合も、その点は同じである。
一般市民が合格点を与えてくれる分岐点は、どこにあるか。それは「『語る語り口』で聴き手に語りかけるような朗読表現」が出来ているか否か、というところにあると私は考えている。
今回の「小さな朗読館・やちよ」においては、そのレベルに届いている朗読もあったが、平均的には今一歩のところであった。
まあ、ある意味では、それも無理はない。なぜなら、私が合格点を与える「『語る語り口』で聴き手に語りかけるような朗読表現」ができれば、それは、現在の日本の一般的な朗読水準からすれば、一流の実力があるとみなすことができるからである。
今回の出演者は、だいたい「語る語り口」が身についてきている。しかも、作品世界のイメージづくり、そのイメージ表現などは、なかなかのものであった。
しかし、せっかくの「語る語り口」を活かし切っていない。その「語る語り口」で、台本を読むような朗読表現をしてしまっている。そうすると、せっかく作品世界のイメージをつくり、そのイメージを表現しても、そのイメージや朗読表現が、聴き手の頭と心に、十分には届かないのである。
ここまでくれば、もう一息、もう一押しなのに、そのちょっと手前で立ち止まってしまっている。思い切って、聴き手に語りかけるような朗読表現をすれば良いのだが、それがなかなか出来ないらしい。聴いていて、何とも歯痒いのだが、こればかりは本人が自力で会得するしかないのである。
第2期の朗読レッスン(朗読ステップ1~6)のもっとも重要な課題(目標)は、この「『語る語り口』で聴き手に語りかけるような朗読表現」を身につけることなのである。
朗読漫画『花もて語れ』第1話
〔発行日〕 戦後65年(2010年)4月27日(水)
〔掲載誌〕 『月刊スピリッツ』(2010年6月号/小学館)
〔標 題〕 第1話「静夜思」
〔内 容〕 22才になり就職&上京した主人公・佐倉ハナは、
大切な入社式の初日に道に迷って遅刻する大失敗。
失意の中で藤色きなりの指導する朗読教室に遭遇。
忘れていた朗読への想いが心に甦ってくるが……。
〔作 者〕 片山ユキヲ
〔朗読協力〕東百道(日本朗読館)
〔取材協力〕NPO日本朗読文化協会
(理事長・城所ひとみ、協会講師・高橋俊三・穰晴彦)
〔参考文献〕
『朗読の理論』(東百道著・木鶏社)
『声を届ける 音読・朗読・群読の授業』(高橋俊三著・三省堂)
『群読の授業』(高橋俊三著・明治図書)
『朗読のススメ』(永井一郎著・新潮文庫)
〔担当編集者〕高島雅
〔定 価〕550円
《館長メモ》
日本で初めての本格的な朗読漫画『花もて語れ』(片山ユキヲ作)が、今号からいよいよ本格的に連載され始めた。第1話「静夜思」では、新入社員としての会社生活と、心ひかれる朗読と再会する個人生活が、二重に併行して流れていく様を、時間的な「視点の転換」を駆使しながら鮮やかに描いている。なかなか快調な出だしである。
偶然に出会った朗読教室を指導する藤色きなり先生と生徒たちは、それぞれかなり個性的な人物のようであり、今後の展開が楽しみである。
朗読発表会『流れる星は生きている』
〔日時〕戦後65年(2010年)4月21日(水)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕船橋市宮本公民館・みやもと三百人劇場
〔演目〕藤原てい原作『流れる星は生きている』
〔構成〕
第1部
一.宣川の日本人会に引揚げの機運動く
二.観象台疎開団の分裂
三.赤土の泥の中をもがく
四.凍死の前
<休 憩>
第2部
五.二千円の証文を書く
六.牛車について歩く
<休 憩>
第3部
七.川を渡るくるしみ
八.三十八度線を突破する
〔出演〕
内田洋子、亀田和子、奥野良子、久保田和子、昌谷久子、遠田利恵子、中山慶子、野中れん子、畑野欸子
(船橋朗読サークル「はなみずき」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔主催〕船橋朗読サークル「はなみずき」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
今回の観客数は、ほぼ100人程度であった。あるいは100人を少し下回ったのではないかと思う。会場の宮本三百人劇場は名前のとおり客席数が300席である。そういう会場で観客数が100人を下回ると、若干、会場の盛り上がりが不足してくる。
本来、この手の朗読発表会で100人近くの観客が聴きに来てくれたということは、それ自体けっして少ない方ではないと思う。しかし、同じ100人でも、たとえば150席の会場の場合と、300席の会場の場合とは、明らかに感じが違ってくるのである。
出演者の朗読の出来栄は、このグループの実力からすると、まあまあだったのではないかと思う。
今回の朗読発表会『流れる星は生きている』は3部構成で上演したのだが、実は、第1部が終わった後の休憩時間に、私は副調室から舞台裏に駆けつけて、出演者全員を集めてカツと入れた。緊張したためだろうか、出演者の中に、これまでの練習から逸脱してしまって、自己満足的な、他人事(ひとごと)のような朗読表現をする会員が続出したからである。途中で一人がそれをやり出すと、連鎖反応的にそれに続く出演者が右に習えをしてしまう。
第2部、第3部は、かなり改善されたが、全体的に緊迫感や切迫感の不足した朗読表現に終始していたようである。どうやって朗読するか、という方に気持が行ってしまって、表現主体である原作者&主人公の当時の視点と心情を自分の中につくる方には気持が行かなかったようであった。やはり、語りかける語り口で語れるだけの朗読表現力が身についていないと、この台本を上演するのはむずかしいとつくづく思った。
もちろん、これは朗読指導者&演出者としての私の感想であって、観客の感想はまた別のようであった。特に、こういう形式の朗読上演を初めて視聴した観客は、それなりに感動してくださったようである。現に、会員が知人友人の方々から聞いた感想や意見は、良かったとか、感動したとか、涙が出てきたなどというものが多かったらしい。なかには、それなりに厳しいことを言われた部分もあるようだが、概ね好評だったようである。
一般的に、朗読発表会を聴く場合には、大まかに二つの聴き方がある。一つは、批評家的な聴き方である。自分でも朗読をやっているような人が、他人の朗読を聴くときには、意識するとしないにかかわらず、どうしてもこの聴き方になってしまう。二つは、鑑賞家的な聴き方である。初めて本格的なステージ朗読を聴くというような人の場合には、この聴き方になってしまう。
このグループの朗読発表会のような場合には、観客の半々がそれぞれの聴き方で聴いたのではないかと思う。すなわち、観客の半分くらいは、私が朗読指導している他の朗読サークルの会員が占めていたし、他の半分くらいは、初めて本格的なステージ朗読を聴いたような人たちではなかったかと思う。
なかには、昨年に引き続いて聴いてくださった方々もいて、この方々は昨年と比較しながら聴いてくださったようである。この方々は、昨年と比べて随分上達したとほめてくださった反面、朗読表現についていろいろと的確な感想や意見を言ってくれたようである。このような方々には、来年も是非聴いていただきたいと思っている。この方々は、上記の二つの聴き方が両方できる立場にあるように思うから。
今回も、チラシに挿絵を提供してくださった池田憲昭さんの絵画やポストカードを、会場のロビーに展示してもらった。私は今回のような朗読発表会は、絵画と朗読の一種のコラボレーションだと思っている。池田さんや、ボランティアで池田さんの支援をしていただいている方々に、改めてお礼を申し上げる。
また、八千代朗読サークルの有志の方が、蔭マイクをやってくださった。また、出演者の友人の方が、終始、朗読発表会の模様を本格的に録音してくださった。改めて、お礼を申し上げる。
朗読発表会『日本婦道記』
〔日時〕戦後65年(2010年)3月26日(金)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕八千代市勝田台文化センター・ホール(3階)
〔演目〕山本周五郎原作『日本婦道記』より
〔構成〕
第1部 糸 車
<休 憩>
第2部 墨 丸
〔出演〕
安部奈々子、佐藤敏子、島香代、鈴木茜、百咲文惠、永田空、本間かおる
(八千代朗読サークル「花ことば」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔主催〕八千代朗読サークル「花ことば」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
今回の観客数は、受付で記帳してくれた数が120人弱。無記帳の人が10人~30人はいたと思われるから、全部で140人くらいではなかったかと思う。客席が全部で250席くらいだから、半分以上は席が埋まっていたことになる。そのくらい入ると、けっこう盛況感が出てくる。観客数的にはまあまあだったのではないだろうか。
出演者の朗読の出来栄は、全体としては、まあまあだったのではないだろうか。このまあまあ、というのは、絶対基準を基にしたものではない。通常のレッスン、立ち稽古、舞台リハーサルを通して感じられた、このグループの現時点での実力、朗読水準からみた評価である。
特に、第1部の「糸車」は、舞台リハーサルまでのレベルに比べるかなり良かった。そこで、休憩時間に、控え室に集まっていた出演者一同に、第1部の「糸車」はなかなか良かったこと、第2部の「墨丸」も気を抜かないように、と注意した。本番前にかなりキビしいダメ出しを受けたので、緊張していたらしい出演者一同は、私の言葉にホッとしたらしい。
そのせいか、第2部の朗読表現は、若干、ダレていたように私には聴こえた。シマッタ。途中の休憩時に、なまじ褒めたのは失敗だった、と後悔した。
ロビーで観客を見送りながら、顔見知りの方々と短い歓談をした際に、感想を聞いた。その後、出演者一同と例の如く打ち上げ会(講評会兼懇親会)を行ない、出演者がそれぞれの知人友人から聞いた感想も聞いた。
その結果は、意外なことに「糸車」はもとより「墨丸」も好評であった。まあ、こういう場合、面と向かって批判や悪評はしないものだが、それにしても私には少々意外であった。
出演者一同は、無事に終演した安堵感と高揚感をもちながらも、昨年まで2回やった先の大戦の悲劇を扱った台本に比べて、一般の文学作品は格段にむずかしいことも実感したらしかった。
今回も、チラシに挿絵を提供してくださった池田憲昭さんの絵画やポストカードを、会場のロビーに展示してもらった。これは、一種の絵画と朗読のコラボレーションだと思っている。池田さんや、ボランティアで池田さんの支援をしていただいている方々に、この場でお礼を申し上げる。
また、八千代や千葉の朗読サークルの有志の方々が、蔭マイクや受付その他のことをいろいろと手伝ってくださった。この場で、お礼を申し上げる。
品川朗読交流会 Vol.2
〔日時〕戦後65年(2010年)3月13日(土)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕大崎第一区民集会所
〔プログラム〕
○朗読の会「宙」
朗読劇風 向田邦子原作「寸劇」
ラジオ・ドラマ風 沢村貞子原作「猫年の女房」
○あやの会
宮沢賢治原作「注文の多い料理店」
○サークル「こだま」
西山登志雄原作「九官鳥」
夏目漱石原作「夢十夜・第三夜」
斎藤隆介原作「花咲き山」
○懇親会
〔主催〕
朗読の会「宙」
サークル「こだま」
品川朗読サークル「あやの会」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
この「品川朗読交流会」は、品川朗読サークル「あやの会」がまったく自主的に取り組んでいるものである。事前の説明はキチンとしてもらっているし、エチケットとして事前の了解を求められてもいるが、基本的には全くの自主開催である。
しかも、品川朗読サークル「あやの会」単独ではなく、近隣の他の2つの朗読グループ「宙」「こだま」との共同開催でもある。そのため、開催日も、3つの朗読グループの都合の良い日を調整して決めている。
前回もそうだったが、残念ながら、開催日が私が他の朗読サークルをレッスンする日と重なってしまったので、私はこの品川朗読交流会の上演を観ていない。
朗読発表会『あの日夕焼け』
〔日時〕戦後65年(2010年)2月24日(水)
開場13時00分 開演13時30分
〔会場〕千葉市生涯学習センター・ホール
〔演目〕鈴木政子原作『あの日夕焼け』
〔構成〕
第1部 小さな学校 終戦の日 一円札
<休 憩>
第2部 錦州へ 冷たい病室 さよなら満州
〔出演〕
石井春子、井手陽子、金子可代子、小出ケイ、白潟洋子、高木幸恵
(千葉朗読サークル「わかば」)
〔企画・朗読指導・演出〕 東 百道
〔主催〕千葉朗読サークル「わかば」
〔参加〕入場無料(全席自由)
《館長メモ》
戦後65年(2010年)2月24日の午後1時30分から、千葉市生涯学習センターのホールで、千葉朗読サークル「わかば」が2度目の朗読発表会『あの日夕焼け』を上演した。
今回の観客数は、会場でざっと目算したところ、100人をちょっと越したくらいと思われた。後で、当日の芳名帳に記帳してくださった来場者の数から推算したが、その数字も同じようなものであった。このグループはもともと来場者数が少なかったから、このグループとしてはまあまあの観客数と言えるであろう。
出演者の一人が関係している視覚障害者施設から、視覚障害者やその関係者が十数名聴きに来てくださっていたが、それがとてもありがたかった。
出演者の朗読の出来栄は、全体としては、通常のレッスン、立ち稽古、舞台リハーサルを通して、もっとも良かったと思う。
前半の第1部では「上手く読まなければ」という考えが頭をよぎったのか、読み手の方が「可哀想」「気の毒」という他人事(ひとごと)のような心情を込めてしまっていた。そこで、途中の休憩時間に、全員に、読み手が作品世界における当事者の視点と心情になって、自分事(わがこと)として切羽詰った、必死の表現をしなければダメじゃないか、とカツを入れた。
そのカツが効いたかどうか分からないが、後半の第2部はかなり自分事(わがこと)として表現する朗読になっていた。もちろん、まだまだのところが多々あって、舞台袖で聴いていてイライラさせられた。しかし、このグループの今の朗読レベルでは、これが精一杯の表現だと思っている。
今回は、千葉朗読サークル「風」の会員たちが、蔭マイク、副調室と舞台袖の連絡係、受付などの裏方を務めてくれた。皆さん、実に楽しそうに、各々の仕事をこなしていた。この「風」のメンバーは、何でも楽しみに変えてしまうようである。
私は、もっぱらバック音楽(BGM)に掛かり切りであった。前半の第1部は、若干、音量が大きすぎたようである。また、何カ所か、ミスもしてしまった。後半の第2部は、会場でモニター役を務めた家人によれば、音量はバッチリだったそうである。幸い、後半はミスもなかった。
会場の千葉市生涯学習センター・ホールは緞帳がない。仕方が無いので、舞台照明を暗くすることで緞帳を降ろす替りとした。
しかし、この台本の朗読を初めて聴く観客には、なかなかそれが分からない。どこで拍手をしたら良いのかどうか、迷うことになる。そこで、会場の最後列にモニター役として待機している家人に、率先して拍手するように言っておいた。
後で訊いてみると、やはりそうする必要があったとのことである。かように、ステージ(舞台)の裏方はいろいろと気を使わなければならないのである。
今回の照明と音声の副調を担当してくれた、千葉市生涯学習センター・ホールの会場スタッフは、とても親切で良くやってくれた。応対の態度も、感じが良くなっていた。
地域新聞とケーブルテレビが、今回の朗読発表会を取材に来た。
地域新聞からは、これまでも度々取材されたことがある。しかし、それは、立ち稽古とか舞台リハーサルに取材して、前宣伝的に朗読発表会より前の段階で記事として報道してくれていた。朗読発表会当日の取材は、今回が初めてである。
ケーブルテレビは、ニュース用であるから、当日取材が普通である。昨年の品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会のときも、地元のケーブルテレビが当日に取材に来ていた。
朗読発表会の当日に取材されるようになってきたということは、少しづつ社会的な認知度が上がってきたということであろうか。それとも、今回、たまたまそうなったに過ぎないのであろうか。とにかく、朗読発表会当日の二つの取材は珍しい。
今回が今年最初の朗読発表会である。上記のように、いろいろとあったが、ともあれ、今年最初の朗読発表会が大過なく終わって、ホッとしている。
朗読漫画『花もて語れ』第0話の初登場
〔発行日〕 戦後65年(2010年)1月27日(水)
〔掲載誌〕 『月刊スピリッツ』(2010年3月号/小学館)
〔標 題〕 プロローグ編・第0話「ブレーメンの音楽隊」
〔内 容〕 主人公・佐倉ハナがまだ小学校1年生のころ、
学校の学芸会で劇「ブレーメンの音楽隊」の、
ナレーションをやり切った思い出のエピソード。
佐倉ハナの朗読原体験が描かれたプロローグ編。
〔作 者〕 片山ユキヲ
〔朗読協力〕東百道(日本朗読館)
〔取材協力〕NPO日本朗読文化協会
(理事長・城所ひとみ、協会講師・穰晴彦)
〔参考文献〕『朗読の理論』(東百道著・木鶏社)
『朗読のススメ』(永井一郎著・新潮文庫)
〔担当編集者〕高島雅
〔定 価〕550円
《館長メモ》
この片山ユキヲ作『花もて語れ』は日本で初めての本格的な朗読漫画である。絵、セリフ、地の文、内容ともに、とても上質で、かつ、面白い作品になっている。これは、私がこの作品に「朗読協力」しているがための身びいき的な感想では、決してない。
今回のプロローグ編・第0話「ブレーメンの音楽隊」では、主人公・佐倉ハナの小学校時代のエピソードが描かれている。しかし、最後のページだけ、現在の時点に場面が一挙に転換している。22歳になった主人公・佐倉ハナが上京し、東京駅のホームから、叔母さんに携帯電話で無事な様子を連絡している場面である。その携帯電話している主人公・佐倉ハナが後姿で描かれているのだが、その後姿から彼女の生立ち、性格、現在の心情などが総て滲み出ている。
私は、この画面だけでも、片山ユキヲの漫画家としての力量が相当なものであることが分かった。なかなか、こういう着想、こういう視点、こういう作画はできないものだと思う。
本格的な連載は、4月末に発行予定の6月号から始まるということだが、これからの展開がどうなっていくのか。私は、とても楽しみにしている。
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