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館長の朗読日記1331/朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック

館長の朗読日記1331  (戦後69年02月03日 新規)



○朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック(1)

 一昨日(2月01日)の17時00分に、八千代市東南公民館3階ロビーで、小学館の高島雅さんと待ち合わせ、朗読漫画『花もて語れ』のネームチェックを行なった。この日は、午前中に千葉朗読サークル「風」の朗読レッスン、午後一番には「風」の2人の会員の傘寿のお祝い会が行なわれた。時間を調整しての待合せであった。

 実際には、傘寿のお祝い会が、私の予想よりも1時間早く12時00分に始まり、さらに予想より2時間早い14時00分に終了したので、十分に余裕のある待合せに変わった。当初は、待合せ場所に車で直行するつもりだった。しかし、一旦、自宅に帰って、休憩と着替えをし、それから徒歩でゆっくり待合せ場所に出かけて行った。

 今回のネームチェックは、現在連載中の夢野久作原作「瓶詰地獄」篇の最後の4話分であった。単行本でいうと、第12集に収録する最後の4話分である。もちろん、その内容をここに記すことはできない。ただ、朗読的な内容よりも、物語的な内容に重点があり、かなり感動的な展開になっている、ということくらいは記しておく。



○朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック(2)

 ネームチェックの後は、いつもの通り、雑談まじりの情報交換&意見交換をやった。今の「瓶詰地獄」の次に取り上げる作品に関する調査の現状。その作品名をここで記すわけにはいかない。しかし、この作品は、朗読漫画『花もて語れ』の最後を飾る朗読作品であるし、その内容からいっても、かなり慎重な事前の調査が必要となる。

 この調査には、ライターの安井洋子さんが大いに力を発揮してくれている。その調査ぶりは、ここに書いて良い時期になったら、是非、その一端でも紹介しようと考えている。私もそういう事前調査は多少の経験があるし、そういう作業が嫌いではないので、逆に、安井さんの大変さや楽しさも自分事(わがこと)として分かる気がする。

 さらに、その作品を主人公・佐倉ハナが朗読するシーンの漫画的な描き方について、いろいろ苦心したり工夫したりしている現況なども、高島さんは話してくれた。例えば、第6集で副主人公・佐佐木満里子が「野ばら」を朗読するシーンなどは、私がレクチャーのときに「占い師が水晶玉を覗くように」といったことを漫画化している。



○朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック(3)

 このシーンは、コマの枠どりを球形にすることで割り合い簡単に解決できたようであった。球形の枠どりそれ自体が、漫画では珍しいので、片山ユキオさんも張り切っていたという。しかし、今度の作品について、私がレクチャーで解説した朗読のイメージはかなり複雑だったので、それを漫画化することで大変苦心しているという。

 それからさらに、この『花もて語れ』は、漫画としての絵の描き方もいろいろと工夫をこらしている、という話に展開していった。その基本点は、以前に『コミックナタリー』というサイトで、片山ユキヲさんがインタビュー記事「『花もて語る』心揺さぶる『朗読マンガ』誕生!声の世界を写し取る技法に迫る」の中でも答えている。

 しかし、現在はその技法がさらに進化しているという。そのため、プロの漫画家や漫画編集者でも、この漫画の絵の描き方は分からないはずだという。そのため、この『花もて語れ』は、漫画の表現技法という点でも特筆すべき存在になっているという。同時に、漫画家の片山ユキヲさんと担当編集者の高島雅さんの作業は大変らしい。



○朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック(4)

 その表現技法のいくつかを簡単に説明してくれたが、関係者の私でさえ何気なく読み飛ばしてしまうシーンで、実にさまざまな工夫と苦心が込められていることが分かった。私は、そういう漫画の新たな表現技法は、是非、何らかの形で記録に残しておくべきだ、と主張した。世界に冠たる日本の漫画文化を、さらに発展させるために、と。

 朗読的な内容においては、この『花もて語れ』は、立派な「啓蒙書」となり得ている。ここで朗読の基本と紹介されている「視点の転換」や朗読上達のステップ1〜6も、決して従来の日本の朗読の基本ではなかった。総て、私が、三浦つとむや吉本隆明などを土台に、新たに解明&発見した朗読の基本である。だから「啓蒙書」なのだ。

 今後、日本の朗読関係者は、これらの朗読の基本を無視しては、本格的な朗読も朗読指導もできなくなっていくに違いない。日本の朗読文化に大きな変革の波が巻き起こっていくはずである。この『花もて語れ』は、漫画という分かり易い表現によって、その朗読の変革理論を描いている。私が、朗読の「啓蒙書」と確信する所以である。



○朗読漫画『花もて語れ』のネームチェック(5)

 私が心底から嬉しかったのは、漫画家の片山ユキヲさんと担当編集者の高島雅さんが、そういう私の朗読の変革理論を理解&評価してくれて、それを主軸にした朗読漫画を創作してくれたことである。しかも、漫画の物語的な側面も実に素晴らしい感動的な内容になっている。しかも、漫画的な表現技法においても、画期的であるという。

 そして、何よりも嬉しいのは、ネットなどに書かれている読者の反応が、かなり的確に、この朗読漫画『花もて語れ』の内容を受けとめてくれている点である。その反応は、単に朗読のもの珍しさを面白がっている、というレベルに止まっていない。朗読だけでなく、文学作品の読み方、表現というものの認識の仕方にまで及んでいる。

 さらに、読者が、単なる漫画ファン(マニアックな漫画ファン)の範囲にとどまらず、少しづつ、朗読(読み聞かせ)関係者や文学愛好者あるいは演劇などいろいろな分野の芸術家や文学作家などにも広がっている。そして、殊に嬉しいのは、小中学校の先生方や図書館の司書の方々にも、一種の参考書として読まれていることである。

 

 


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