館長の朗読日記1356/朗読漫画『花もて語れ』の第11集が発売された
館長の朗読日記1356 (戦後69年03月03日 新規)
○朗読漫画『花もて語れ』の第11集が発売された(1)
2月28日に朗読漫画『花もて語れ』の第11集が発売された。この第11集に取り上げられた朗読作品は、坂口安吾原作「風博士」である。この「風博士」を主人公・佐倉ハナが朗読するのだが、それと対をなす形で第12集において夢野久作原作「瓶詰地獄」を五十土園子が朗読する。二人が朗読コンクールの場で対決するのである。
漫画として盛上げるために、一度は主人公・佐倉ハナを朗読コンクールに出場させたい、というのが担当編集者としての高島雅さんの以前からの狙いだった。私は、朗読をコンクールなどで競わせたり審査することに賛成しなかった。高島さんは時期と方法を探っていたと思う。今回、物語を締めくくるために、ということでこうなった。
朗読ステップ5〜6を分かりやすく説明するためにも、この物語の全体を締めくくるためにも、また、このコンクールを思い切り変則的(非現実的)なものにするためにも、思い切って風変わりな作品を朗読させようということで、坂口安吾原作「風博士」と夢野久作原作「瓶詰地獄」が選ばれたようである。読者にどう受け取られるか?
○朗読漫画『花もて語れ』の第11集が発売された(2)
坂口安吾原作「風博士」の朗読シーンが『週刊スピリッツ』に連載されだすと、ネット上ではいろいろな反響が出てきた。私は、坂口安吾や「風博士」が、若い世代にもかなり知られていることに驚いた。担当編集者・高島雅さんが、坂口安吾は若い世代にも根強く読み継がれていると言っていたが、それは意外にも本当のことであった。
先日の「小さな朗読館 in ソルシエール」に遠く神奈川県から聴きに来てくれた方は、従来から『花もて語れ』の愛読者だったという。第11集も、今回の朗読会に間に合うように急いで購読したということだった。この方は、私よりはるかに若い世代なのに、坂口安吾や「風博士」のこと知っていた。大したものだ、と私は感心した。
坂口安吾原作「風博士」の作中には、遺書が重要な構成要素になっている。次の夢野久作原作「瓶詰地獄」は、作品そのものが4つの手紙文から構成されている。片山ユキヲさんや高島雅さんは、朗読ステップ5〜6を漫画的に分かりやすく説明するために、遺書や手紙文に眼をつけたのである。これはかなりの達見だったと思っている。
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