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館長の朗読日記1466/朗読漫画『花もて語れ』の第110話

館長の朗読日記1466  (戦後69年07月22日 新規)



○朗読漫画『花もて語れ』の第110話(1)

 一昨日の日曜日(7月20日)に小学館から『週刊スピリッツ』2014年34号が届いた。本号には朗読漫画『花もて語れ』の第110話「小さき者へ①」が掲載されている。第110話は、主人公・佐倉ハナにが朗読コンクールで芥川龍之介原作「蜜柑」を朗読してから6年後のことになっている。エピローグの前半部である。

 折口柊二と藤色きなり先生は結婚して、2人目の子供ができたところである。主人公・佐倉ハナは、勤務していた会社を辞め、子育て中の藤色きなり先生の朗読の生徒を半分くらい引き継ぐ形で、朗読(指導)者の道を歩み始めている。このエピローグの大筋の内容を、私はかなり前から知っていたが、私はいささか懸念している。

 朗読の指導(や公演)で生計を立てていくのは容易ではない。生計を他の仕事や年金や資産からの収入で立てて、副業として朗読の仕事を行なうなら分かる。女性の場合は、結婚して共働きとか夫の収入で生計を立てるなら分かる。しかし、主人公・佐倉ハナは朗読の他は無職であり、未婚である。年金や資産もありそうもない。



○朗読漫画『花もて語れ』の第110話(2)

 朗読の指導(や公演)だけで、生計を立てている朗読者はいるかも知れないが、それはごく少数の例外であろう。将来のことは分からないが、少なくとも現時点においてはそうである。このエピローグにおける主人公・佐倉ハナの生き方が、朗読は儲かるなどという変な誤解を生じさせてしまうのではないか、と懸念したのである。

 反面、この主人公・佐倉ハナの生き方が、朗読者の道を志している若い世代にある種の希望と勇気をもたらすかも知れない。従来の日本の朗読文化の水準はあまりにも低い。いやしくも、文学作品を朗読するからには、言語や文学の研究を土台にしなければならない、という意識があまりにも少ない。朗読文化の革命が必要である。

 私は、近年、拙著『朗読の理論』を上梓することで、朗読文化の革命を始めたという事実を、以前よりも強く意識している。幸い、朗読漫画『花もて語れ』が拙著『朗読の理論』を土台にし、主人公・佐倉ハナが朗読のステップ1〜ステップ6をたどる過程を物語の主軸にしてくれたので、この革命に必要な啓蒙が一挙に普及した。



○朗読漫画『花もて語れ』の第110話(3)

 従来の日本の朗読文化を担ってきた朗読者にも、この朗読漫画『花もて語れ』に提示された朗読の理論が、少しづつだが注目され、朗読文化の革命の意義が理解され始めている。その反面、朗読に関する誤った、不十分な理論を信奉している朗読者や、誤った、不十分な実践を行なっている一部の朗読者からの反発も起こっている。

 それらは、一部の朗読者からの反発を含めて、ある程度は予想されたことであり、歓迎すべき事態である。しかし、それ以上に私が望んでいるのは、今の若い世代に、朗読の魅力と奥深さを、この朗読漫画『花もて語れ』によって、広く、深く、理解してもらうことである。こっちの方は、私の予想をはるかに上回って進んでいる。

 朗読者になる若い世代はもちろん、朗読に関心をもって聴き手の側に廻る若い世代にも、朗読漫画『花もて語れ』に提示されている朗読のあり方を十分に理解してもらいたい。さらには、拙著『朗読の理論』にも、あるいは、それらを乗り越えて、より高くて深いレベルに向かって研鑽を積み、日本の朗読文化を向上させて欲しい。










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コメント

ネタバレしちゃだめですよ…!
最近コミックを読み始めたものですが、
読む前にここで結末を知ってしまって、
わくわくした気持ちが半減してしまいました…><

投稿: | 2014年7月23日 (水) 00時54分

名なしの権兵衛さんへ


 ネタバレになったのならご免なさい。

 つい、すでに第110話を読んでいるはずの『週刊スピリッツ』の読者を念頭に書いてしまいました。

 ところで、あなたのように、最近この朗読漫画『花もて語れ』を読み始め、この先は果たしてどうなるのかというワクワク感を大切にしたい方は、物語の先の方を話題にしているこのような文章は、あらかじめ用心して読まない方が良いと思います。

投稿: 「日本朗読館」館長 | 2014年7月23日 (水) 08時36分

こちらこそご免なさい

五巻を読み終えたばかりの自分にはとても意外な展開だったので、びっくりして
つい衝動のままにコメントしてしまいました。

同じようにうっかりネタバレを見てしまうファンの方が出ませんように。

余計なことばかり書いてしまいましたが、
「花もて語れ」いつも楽しく読ませて頂いております。

連載は次号で最終回を迎えるようですが、自分はコミック派なのでまだまだ楽しませて頂きます~

少し早いですが、連載お疲れ様でした。

素晴らしい作品を生み出してくれた先生方に、
言葉では伝えきれないほど感謝しております。
今後もますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます!
微力ながら応援しておりますので、どうかお体にお気をつけて、活動頑張って下さいね。

長々と失礼しました。

投稿: 名無しの権兵衛 | 2014年7月24日 (木) 12時59分

名なしの権兵衛さんへ


 朗読漫画『花もて語れ』を五巻まで読んでいただた由、ありがとうございました。

 最終の十三巻は9月末に刊行される予定です。最後までご購読いただくよう、お願いいたします。

投稿: 「日本朗読館」館長 | 2014年7月25日 (金) 11時51分

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