館長の朗読日記1547/船橋「はなみずき」と習志野「茜」の朗読レッスン
館長の朗読日記1547 (戦後69年11月21日 新規)
○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン(1)
昨日(11月20日)15時00分から船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ3の13回目。今回から、来年4月に開催する朗読発表会に向けた台本・井上靖原作『月の光』のレッスンに入った。今回は、その第1回目である。これから6回にわたって通常型レッスンをやっていく。
通常型レッスンは時間が2時間ちょっとだから、朗読時間が全部で130分くらいかかるこの台本の全部はレッスンできない。そこで、半分づつの2部編成として、毎回のレッスンで半分づつレッスンしていく。従って、実質的には3回しかレッスンできないことになる。その後は、立ち稽古、リハーサルで通しの練習をするだけである。
実質的なレッスンの回数が意外に少ないことが分かる。毎回のレッスンを無駄にしないように、そのためには自宅練習と自主練習会をしっかりやるように、注意を喚起した。今回は、その大事なレッスンの初回であるにもかかわらず、何やかやで4人も欠席した。そこで、欠席した会員の前後の会員にその分を補足して朗読してもらった。
○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン(2)
すなわち、今回は、自分の分担部分自体が初読みである上に、他の会員の分担部分を臨時に朗読した会員が4人もいたわけである。それにしては、皆さん、キチンとした朗読表現をしていた。私がいつも言っているように、自分の分担部分だけでなく、自分の前後の会員の分担部分も練習して来てくれたからであろう。大変に素晴らしい。
この『月の光』という作品は、いわゆるドラマチックな筋が展開されるわけではない。ボケた母親のことが、一見、坦々と書かれている。しかし、よく読むと、原作者やその周辺の人間とボケた母親の内面が、すなわち、精神の奥底が、かなりドラマチックに展開されている。その展開をいかにドラマチックに朗読するかが課題である。
今回は、1人だけかなりドラマチックに朗読表現できていた会員がいた。会員はそれぞれレッスン歴も違うし、過去の朗読経験も違う。従って、それぞれに朗読のレベルも違う。これからは、それぞれの朗読レベルに即して、この『月の光』というかなりむずかしい作品の読み継ぎ形式の朗読を仕上げていく。楽しくも厳しい仕事である。
○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(1)
昨日(11月20日)の18時00分から、習志野朗読サークル「茜」のレッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ1の7回目。今回からレッスン台本・向田邦子原作「父の詫び状」のレッスンに入った。今回は、その第1回目である。この「父の詫び状」には思い出がある。初心の頃に渡辺美佐子のこの作品の朗読を聴いた。
当時は、朗読のカセットがいろいろ発売されていた。その1つとして聴いたのである。その頃、私は山梨県に居住していたが、夏に地人会主宰の『この子たちの夏』を聴きに行った。6人の新劇系の女優が朗読したのだが、そのうちの1人が渡辺美佐子であった。渡辺美佐子の朗読は、他の5人と隔絶して、非常に良かったと覚えている。
それで、渡辺美佐子の朗読を収録した、この『父の詫び状』のカセットを購入したのである。渡辺美佐子の朗読は、舞台での『この子たちの夏』もそうだったが、録音での『父の詫び状』も、きわめて「自然な語り口」で表現されたものであった。初心の私は、初めて納得できる朗読を聴いた気がした。何度くり返して聴いたことだろう。
○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(2)
初めて私なりの朗読表現を体得した三浦哲郎原作「なわばり」と、渡辺美佐子が朗読した向田邦子原作「父の詫び状」は、初心の頃の私の記念すべき2作品なのである。さて、今回のレッスンであるが、重点は日本語の助詞にまつわるところに置いた。日本語に助詞があることが、日本語に玄妙な表現の幅をもたらしている点を説明した。
このサークルは、現在、第2期の朗読ステップ1であるから、作品世界を十全にイメージすることにも重点を置いている。その作品世界のイメージを十全にするためにも、日本語の助詞が重要なヒントを与えてくれている点を説明した。会員の皆さんが理解できているか、何回か確かめたが、皆さん一様に理解できていると返事していた。
理解できているが、実行できないという返事であった。今回の朗読を聴くかぎり、確かに実行できていない。しかし、今回はこの台本の初回だから、仕方がないかもしれない。次回以降のレッスンに期待することとしよう。現在はCDになっている渡辺美佐子の「父の詫び状」の朗読を聴いて、「自然な語り口」を体感して欲しいと思う。
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