館長の朗読日記2071/船橋「はなみずき」と習志野「茜」の朗読レッスン
館長の朗読日記2071 (戦後72年/西暦2017年10月20日 新規)
○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン(1)
昨日(10月19日)の15時00分から、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンをおこなった。今回は、第2期・朗読ステップ6の第11回目、レッスン台本・菊地寛原作「仇討三態(その一)」の第5回目である。今回も、会員に順々に少しづつ朗読してもらい、各会員の朗読指導に主眼をおいてレッスンした。
今回は、文節の1つ1つを丁寧に上げていく(=立てていく)語り口、すなわち、文節を1つのハンガーに見たて、そのハンガー1つ1つを2音目(ないしは1音目)を支点に順々に吊り上げていくような語り口を、全部の会員に意識して実行してもらった。意外にも1期生も2期生も前半にやった会員はキチンと出来なかった。
これにはいささか愕然とした。愕然としながらも、根気よく会員1人1人にキチンと出来ていないことを指摘し、見本を示したり、実際にやり直してもらったりしながらレッスンを進めていった。前半に当たった会員は、キチンとできなかった。しかし、後半に当たった会員は徐々にキチンと2音目が上がるようになっていった。
○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン(2)
これも1期生とか2期生には関係なかった。すなわち、1期生はもちろん、2期生も、意識すれば(あるいは他人がやっているのを耳にすれば)、文節を1つのハンガーに見たてて、そのハンガー1つ1つを2音目(ないしは1音目)を支点に順々に吊り上げていくような語り口をやってみたり真似するくらいの実力はもっている。
しかし、それを意識してやらないと、あるいは、意識して真似ないと、まだまだ出来ない実力の段階にあったのである。こんな基本的な語り口は、早く、無意識でもできるくらいに身につけてもらわないといけない。私自身が、迂闊にも会員の皆さんの今の実力の段階に気づかなかった。遅きに失したが気づかないよりましである。
また、同じ2音目を上げるにしても、上げ方に違いがある。ここぞという文節においては、格段にクッキリと2音目を上げなければならない。普通に2音目を上げる場合と、格段にクッキリと2音目を上げる場合の違いを、実際にやって見せた。実際にやって見せると、その違いとその効果が分かったようである。何ということか。
○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(1)
昨日(10月19日)の18時00分から、習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ4の7回目、今回から新しいレッスン台本・太宰治原作「雪の夜の話」に入る。今回はその1回目である。このサークルは会員数が少ない。その上、欠席した会員が多かった。結果、時間が潤沢になった。
反面、この「雪の夜の話」は物語性そのものを見た場合にはかなり簡単な内容である。特に疑問に思ったり、何かひっかかるところも見当たらない。出席した少数の会員に、少しづつ順々に朗読してもらったが、その作品世界そのものは自分が朗読したり、他の会員が朗読しているのを聴いていれば、容易に理解できるものである。
初回だからといって、私がクダクダしく解説する必要もない。そこで、今回は、文学作品(小説)において地の文とセリフを表現している表現主体は何者であるか、という本質的なテーマを解説することにした。多人数のレッスンでは、何人かが欠伸をしそうな内容である。今回は少数のレッスンだから、会員は聴かざるを得なかった。
○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(2)
実は、このテーマは、現在『朗読の上達法』を執筆している過程で改めてクッキリと浮かび上がってきたものである。従来から念頭に去来していたものだが、最近、三浦つとむ著『日本語はどういう言語か』を丁寧に読み返しているうちに、より明確になってきたのである。いずれ、他のサークルでも話し、本にも書くつもりでいる。
今回は、レッスン時間が潤沢にあることを幸いに、先行的にそのテストを試みたわけである。いつも以上に、聴き手である会員の顔色や目付きに注意を払いながら話していったのだが、よく理解してもらえたような感触ではなかった。説明の内容はもちろん、説明の仕方もさらに工夫が必要である。しかし、今回のこの作品は使える。
太宰治原作「雪の夜の話」は、地の文の表現主体が、登場人物の1人でもある二十歳前と思われる若い女性である。セリフの表現主体は本人と実兄(いかにも太宰治本人をモデルにしたような40歳まえの売れない作家)と義姉(実兄の嫁)の3人である。文学作品における地の文の表現主体は何かを考察する最適な作品である。
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