館長の朗読日記2063/品川「あやの会」と大田「くすのき」の朗読レッスン
館長の朗読日記2063 (戦後72年10月04日 新規)
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(1)
昨日(10月03日)に品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ6の第8回目、今回は新しいレッスン台本・菊池寛原作「仇討三態(その1)」の第2回目である。前回は初回であるから朗読的作品解説を中心としたが、今回からは1人1人の朗読に対するレッスンが中心となる。
このサークルは皆さん熱心だから、自宅練習もしっかりやってくる。そのため、皆、今回が第2回目とは思えないような朗読ぶりであった。私の方も『朗読の上達法』の原稿を書いているところだから、今、執筆中の内容を指導してみた。すなわち、地の文の表現主体を原作者と登場人物とに相互に転換させるという問題である。
この台本はけっこう長い地の文が続いている。その長い地の文を、同じように朗読するよりも、ときどき変化をつける方が良い。ただし、必然性のない変化は却っておかしい。従って表現主体を原作者と登場人物とに相互に転換するなどは、絶好の変化のつけどころである。まさに「シメタ!」と思って、表現主体を転換するべし。
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(2)
私の、この「シメタ!」と思って、変化をつけた方が良い、という言い方が会員の皆さんには新鮮だったらしい。何となく「へえ〜!」というような反応だった。このような話しは初めてではない、と念を押したら、口々に「シメタ!」と思って、変化をつけた方が良い、という言い方で説明されたのは初めてだという返答だった。
しかし、どのような説明のされ方をしても、そうそう直ぐにできるものではない。反面、皆の耳のレベルは高くなっているから、そういう説明を聴いた後は、自分の地の文の従来の朗読が単調であることを自覚したらしい。そして上手な朗読はそういうところが違う、ということを痛感したようである。それが進歩の糸口となる。
ともあれ、朗読レッスンの場で、今回のようなやり取りができるようになったことは素晴らしい。会員の朗読的なレベルが上がれば、私の朗読レッスンの内容もレベルが上がる。坂本龍馬が西郷隆盛を評した言葉ではないが、大きい鐘は大きく打てば大きく鳴るし、小さく打てば小さく鳴るのである。私の鐘はそう大きくはないか。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(1)
昨日(10月03日)に大田朗読サークル「くすのき」の第8回目の朗読レッスンを行なった。今回は、第1期・朗読ステップ1の第8回目、レッスン台本・芥川龍之介原作「蜜柑」の第3回目である。今回は、冒頭に、前回に説明と指導を求められた《間》について少し解説をした。しかし、かなり分かりずらかったようである。
これは、必ずしも私の説明の仕方や内容が悪かったためではない。やはり、何事にも、時期とか順序というものがある。もう少しレッスンを積み重ねた後に、改めて《間》の説明をしようと思う。このサークルは、レッスンを始めてまだ半年も経っていない。会員数も10人に足りない少人数である。しかし、なかなか個性的である。
前回は、早くも、上記のように《間》についての質問や指導要請があった。今回は、演劇(新劇)のセリフ表現の仕方に関する質問があった。こういう話題は、私も望むところであり、我が意を得たりである。今回は時間がなかったので、次回のレッスン冒頭にでも、ジックリと解説しようと思っている。果たして、反応やいかに。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(2)
このサークルは、朗読の経験者が多数派であり、朗読の初心者は少数派である。通常、朗読の経験者は、朗読調という独特の語り口が身についていて、なかなか「語りかける語り口」に馴染めないものである。しかし、このサークルの朗読の経験者は、全員がほぼ「語りかける語り口」になっている。何とも不思議な感じである。
多数派の朗読経験者がそうであるから、それに引きずられたのであろうか、少数派の朗読初心者も、初めから平気で「語りかける語り口」に近い語り口で朗読している。過去においては、まず、例の朗読調といわれる変な語り口を矯正することから始め、その矯正に手間取ったものである。それがないので何とも不思議な感じがする。
そこで、今回の朗読レッスンでは、言葉の1つ1つを立てること、強調すべき言葉をもっとはっきりと強調すること、を指導した。それはともかく、当面は、会員をもう少し増やす方策を考え、実行しなければならない。来年5月に予定している「おさらい会」を公開で行なうことも考えている。従来は非公開でやっていたものだ。
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