館長の朗読日記2078/品川「あやの会」と大田「くすのき」の朗読レッスン
館長の朗読日記2078 (戦後72年11月08日 新規)
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(1)
昨日(11月07日)に、品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンを行なった。今回は第2期・朗読ステップ6の第10回目、レッスン台本・菊池寛原作「仇討三態(その1)」の第4回目である。このサークルは、会員の皆さんが特に熱心だから、レッスンも4回目ともなると、各人がかなり読み込んだ朗読を披露してくれる。
そうなると、私の方もつい気合の入ったダメ出しやコメントをすることになる。その会員の今回の朗読の欠点とその根拠を指摘する場合も、今回の朗読で目立って良くなった点とその根拠を指摘する場合も、まさに真剣勝負のような気合が入ってしまう。私のレッスンは、ただ褒めたり、自分の朗読を見本とするようなものとは違う。
たとえば、会員の1人が、今回、その会員自身の心情とイメージをこめた声で始めから終わりまで朗表現し切ったのである。その会員の本気度が感じられる朗読であった。この最古参の会員はレッスン歴が11年を超えるが、このような声出しで終始朗読したのは、おそらく今回が初めてではあるまいか。ようやくこのレベルまで来た。
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(2)
その他にも、従来は甘えたような声出しの語り口だった会員が、最近は1人前の大人のそれに変わってきており、特に今回の朗読は見違えるようにしっかりとした朗読になっていた。あるいは、まだレッスン歴が2年と短い会員が、今回は特に、堂々としっかりした声出しと語り口で朗読していた。その上達の速さににも驚かされた。
このサークルの会員は皆さん前向きで、私が指定するレッスン台本の良いところを見つけて、作品そのものが大好きになって練習に取り組んでいる。特に今回のレッスン台本「仇討三態(その1)」は、お気に入りのようである。この菊池寛の作品の面白さとむずかしさが、会員たちのやる気と本気度を引き出しているのかも知れない。
今回のレッスンの終了後に、皆で、来年5月に開催を予定している朗読発表会で上演する岡本綺堂原作「修禅寺物語」の台本を作成する予定だという。私が台本を作成する手間を肩代わりしてくれたのである。大変にありがたい話しであり、お蔭で私は大助かりである。とにかく、このサークルの皆さんは、考え方が前向きなのである。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(1)
昨日(11月07日)に、大田朗読サークル「くすのき」の第10回目の朗読レッスンを行なった。今回は、第1期・朗読ステップ1の第10回目。レッスン台本・芥川龍之介原作「蜜柑」の第5回目、仕上げの通し読みなのである。短い作品なので、2人1組で、各組ごとに読み継いでもらうことにした。全部で4回の読み継ぎとなる。
1組づつ、椅子を2つ置いたステージ的な空間に坐ってもらって、私が原作者と作品名を呼ばわった後に読み継いでもらった。4組8人の朗読をメモを取りながら聴いていると、まだレッスン歴が半年であるにもかかわらず、かなりレベルの高い朗読をしていることに驚かされた。これは、私の指導ではなく、元々のレベルが高いのである。
もちろん、私が目指している「感動をつくる朗読」からすると、まだまだ改善すべき余地がたくさんある。しかし、今まで私が指導してきた朗読サークルの第1期・朗読ステップ1の時期に比べると、明らかに高いレベルにある。それは、このサークルの場合は、本当の意味での初心者の会員がいなかったためではないかと考えている。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(2)
仕上げの通し読みが終了し、短い休憩をとった後に、私から全員の朗読について講評をした。短い総評と、会員1人1人の朗読に対する講評をした。この段階では、やはり講評の中心は「語りかける語り口」の問題となる。このサークルの会員は朗読経験者であるようだが、それにしてはいわゆる「朗読調」の朗読に染まっていない。
また、私の指導する「語りかける語り口」をはやく身につけようと前向きに取り組んでくれている。第1期・朗読ステップ1においては、5回のレッスンで1本の台本を仕上げる。1ステップで4本の台本にとり組むことにしている。3本目のレッスン台本は、向田邦子原作「魚の目は泪」である。この作品も朗読的になかなか面白い。
今回は、私から講評した後、特別に、朗読における発声練習の意味と新劇系のセリフ表現の評価について、私の持論を説明した。実は、前回のレッスンの後に、ある会員から発声練習について「先生のレッスンではなぜ発声練習をまったくやらないのか」という趣旨の質問があったので、その質問に改めて正面から答えたのである。
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