館長の朗読日記2089/品川「あやの会」と大田「くすのき」の朗読レッスン
館長の朗読日記2089 (戦後72年12月06日 新規)
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(1)
昨日(12月05日)に、品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンをおこなった。今回は第2期・朗読ステップ6の第12回目、レッスン台本・菊池寛原作「仇討三態(その1)」の第6回目である。今回は、会員全員でこの「仇討三態(その1)」という台本の仕上げの通し読みをおこなった後に、私が講評をおこなう。
それから、来年の朗読発表会で上演する台本・岡本綺堂原作「修禅寺物語」の朗読分担を発表することになっていた。ところが、今回は、今年最後のレッスンということと、会員の1人が退会することのために、忘年会代わりの昼食会をするという。そのため朗読分担の発表を早め、私の講評は昼食を食べながらすることになった。
なぜ、そのように慌ただしいことをするかといえば、私には午後の大田朗読サークル「くすのき」のレッスンが控えており、そのために13時少し過ぎにはそちらの会場に向かって出発する必要があるからであった。しかし、講評を聴く立場の会員の皆さんはともかく、講評をする私が昼食を食べながらというわけにはいかない。
○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン(2)
仕方がないので、猛スピードで昼食を済ませ、会員が昼食をとっている最中に講評を始めた。今回の仕上げの通し読みを聴きながら改めて感じたことだが、会員の皆さんはかなり上達してきた。それぞれの長所を伸ばし、短所を直している。今後、このサークルから、何人もの一流の朗読者が次々に輩出されていくのではないか。
声出し、語り口、心情&イメージ表現、それから文と文のつなげ方(重ね方)、息づかい、ひいては《間》のとり方にいたるまで。会員の皆さんは、あたかも雁が雁行しているように、互いに連なりながら次々に上達していっている。前回より今回、今回より次回というように。そういうことが実感できる指導者は嬉しいのである。
レッスンの冒頭に、先日の第10回「小さな朗読館」に関してお礼をいった。遠路のところ来場してくれたこと、ゲスト出演で頑張って朗読してくれたこと、いろいろと感謝感謝である。今回は、やむを得ない事情のために、会員の1人が退会した。反面、新たな会員が1人、入会した。こうして、次第に人間の輪が広がっていく。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(1)
昨日(12月05日)に、大田朗読サークル「くすのき」の第12回目の朗読レッスンを行なった。今回は、第1期・朗読ステップ1の第12回目、レッスン台本・向田邦子原作「魚の目は泪」のレッスンの2回目である。レッスンの冒頭に、先日の第10回「小さな朗読館」に遠路聴きに来ていただいたことにお礼をいった。
第1期・朗読ステップ1のレッスン台本は、1本目の宮澤賢治原作「やまなし」で非現実的でファンタジックな「視点の転換」をレッスンし、2本目の芥川龍之介原作「蜜柑」で現実的で高度な「視点の転換」をレッスンした。今回の3本目の向田邦子原作「魚の目は泪」では、視覚的に鮮明な「視点の転換」をレッスンする。
テレビドラマの脚本家である向田邦子の作品は、すべてのイメージが視覚的であり「視点の転換」も明確である。イメージが容易に浮かんでくるから、レッスンの比重を少しづつ「語り口」の方に移していったわけである。今回は、すべての言葉を高く上げて表現すること、強調すべき言葉をキチンと強調して表現することを指導した。
○大田朗読サークル「くすのき」の朗読レッスン(2)
このサークルは発足したばかりでもあり、会員数も今のところ8人と少ない。しかし、その半数はかなりの朗読経験者である。今回は、基本的な「語り口」の指導ポイントに絞って、改めて会員の朗読を聴いてみた。その結果、驚いたことに、すべての言葉を高く上げて表現するという点は、ほとんどの会員がクリアできていた。
しかし、強調すべき言葉をキチンと強調して表現するという点については、かなりの朗読経験者と思われる会員でさえ、あまりクリアできていなかった。当然、どの言葉を強調すべきかという点についての考え方や法則性を指導されてきたに様子もない。こういう点に、現在の日本の朗読界の現状とそのレベルを垣間見た気がした。
このサークルの会員は、真面目で熱心であり、私の朗読レッスンを真直ぐに受けとめて身につけようとしている。何年か後には、このサークルから一流の朗読者が輩出するであろうことを私は展望し、確信している。同時に、そのためにも、今の会員数を倍増させ、大田朗読サークル「くすのき」の基盤を強化しなければならない。
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