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館長の朗読日記2231/朗読におけるバック音楽としてのピアノ演奏について

館長の朗読日記2231  (戦後73年9月24日 新規)



○朗読におけるバック音楽としてのピアノ演奏について(1)

 数年前から、品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会において、家人のピアノ演奏をつけるようになった。これは「あやの会」の依頼に基づいているが、私がそれを了解したのは、実は朗読におけるバック音楽としてではない。朗読の声はピアノの音に負けてしまう。そこで朗読の前奏としてピアノ演奏を入れたのである。

 その朗読発表会にピアノ演奏を入れた主な理由は、会場の舞台構成を考えたためである。会場の小山台会館のホールは、小規模な音楽ホールである。舞台は狭く、舞台上にはピアノが常置されている。そのピアノを舞台上から撤去することはできない。朗読会の舞台に、ピアノがただ置いてあるのはいかにも変な具合であった。

 そこで、少しでもピアノ演奏を入れれば、何とか様になると思ったのである。最初は、朗読の前に雰囲気づくりの前奏として入れ、朗読の最後に少しだけ朗読にかぶせながら朗読が終わった後の雰囲気を盛り上げて終わるために後奏として入れることを考えた。他には、朗読の中間に、ダレた雰囲気を引き締めるために入れた。



○朗読におけるバック音楽としてのピアノ演奏について(2)

 朗読にピアノ演奏をかぶせるところは、朗読の邪魔をしないように選曲と演奏に注意をはらった。選曲については、単音を長く引っ張る静かな曲目(例えば「G線上のアリア」など)を選定した。演奏については、ソフト・ペダル(3つのペダルの左側のペダル)を多用した。その結果、幸いに来場者からかなりの好評を得た。

 その直後に、品川の朗読会を聴きに行った八千代朗読サークル「新・みちの会」の会員から、八千代の朗読会にもピアノ演奏をつけて欲しいとの要望を受けていた。八千代の朗読発表会の会場(勝田台文化センター3階ホール)の舞台上には、ピアノが常置されていない。ピアノはあるのだが、通常は舞台裏に収納されている。

 無理にピアノ演奏を入れなくても、舞台構成の点で問題はない。そこで、その時は、私は渋ったのである。ところが、今年の八千代「新・みちの会」の台本が「星の王子さま」と決まり、そのレッスンを重ねていくうちに、これはバック音楽を入れないと120分は保たないと痛感した。しかし、適当な曲目が思い浮かばない。



○朗読におけるバック音楽としてのピアノ演奏について(3)

 そこに、再々度、ピアノ演奏を入れて欲しいというサークルからの要望があった。録音されたバック音楽よりも、ピアノ演奏と直に組み合わせた方が、あるいはこの「星の王子さま」には合うかもしれないと考えた。立ち稽古や舞台リハーサルの後には、以前に考えていたよりさらに多くの箇所にバック音楽が必要だと感じた。

 事前の会場スタッフとの打ち合わせのついでに、実際の舞台でピアノを設定してもらった。ピアノはフルコンサート用の大きな型で、舞台の左側のほとんどを占めている。緞帳にかからないように、しかも、ピアノの音がマイクに入らないようにするためには、読み継ぎ朗読のための座席2つは舞台の右側に寄せるしかなかった。

 舞台の左側にピアノ、右側に読み継ぎ朗読ための座席2つ、それらがバック全面の照明に浮かび上がる舞台構成は悪くなかった。読み継ぎ朗読と音響を抑えたピアノ演奏との組み合わせも悪くないと思った。舞台構成だけでなく、読み継ぎ朗読全体にも、幅と奥行きが加わったように感じた。これも一つの良い様式だと考えた。


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