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館長の朗読日記2346/千葉「わかば」と習志野「茜」の朗読レッスン

館長の朗読日記2346  (戦後74年05月11日 新規)

 


○千葉朗読サークル「わかば」の朗読レッスン(1)

 一昨日(5月09日)の13時30分から千葉朗読サークル「わかば」の朗読レッスンをおこなった。今回は第3期・朗読ステップ2のレッスンの第5回目のレッスン、宮澤賢治原作「紫紺染について」の第5回目のレッスンでもある。この「紫紺染について」は朗読的に非常にむずかしい。会員はそれぞれ苦労してとり組んでいる。

 その成果は、朗読レベルの向上という形で今回のレッスンであらわれてきた。何人かの会員は、朗読する言葉の1つ1つが従来に比べてはっきりと立ってきた。声も聴き手に向って語りかけるような意思がこもってきた。ある会員は朗読する声がはっきりと明るくなってきた。従来のしっとりしているが沈むような声が変わってきた。

 ある会員は、もともと演技的なセンスはあったが、それが自分の世界の内側に閉ざされたような朗読表現であった。ところが今回は、聴き手の方に開かれたような朗読表現に変っていた。言葉の1つ1つが立ってきたばかりでなく、声出しも距離感が出てきた。これらができるようになれば鬼に金棒である。今後の伸びが期待される。

 


○千葉朗読サークル「わかば」の朗読レッスン(2

 どうしても助詞や述語部分が下がってしまっていた会員たちも、かなりそれらが改善されてきた。これは語りかける語り口の基本なのだが、これができるようになっただけで朗読表現がかなり違ってくる。それに加えて、言葉の1つ1つが立つようにもなってきたら、朗読表現がさらに格段に飛躍する。会員は着実にその道をたどる。

 この宮澤賢治原作「紫紺染について」は、レッスン台本として、そういう会員たちの上達に確実に役立ったと実感している。そういう朗読表現だけでなく、その土台となる作品世界の解読の仕方ついても、この「紫紺染について」は大いに役立ったと思っている。この作品世界の解読は、あくまで論理的におこなわなければならない。

 さらに、その解読に基づいて、その文学作品に書かれた文字言語の背後にどのようなイメージを想像し得るか。さらに、原作者や登場人物の心情をどのように想像し得るか。このイメージや心情の想像は、朗読者のイメージや心情の新たな創造でもある。そして、これらイメージや心情の想像と創造は朗読表現に直に役立つのである。

 


○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(1)

 一昨日(5月09日)の18時10分から、習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスンをおこなった。今回は、第2期・朗読ステップ5の第18回目。今回は、6月に開催する朗読発表会に向けたレッスンの第6回目である。このサークルの朗読発表会は1人1作品形式で上演するが、1人当たりの朗読時間は15分以内としている。

 今回も6月02日に開催する「小さな朗読館『ならしの』」のプログラム順にレッスンした。最初の2作品は、斎藤隆介原作の童話である。レッスン歴が1年未満の会員には、私が斎藤隆介の童話から朗読する作品を選定して朗読してもらうことにしている。3番目は中川季枝子が現代文にした昔話である。ここまでは順調であった。

 プログラム4番は、夏目漱石原作「夢十夜」から「第一夜」と「第三夜」を抜き出して朗読する。それを朗読する会員が、朗読が仕上がってくるに従って朗読時間が伸びてきて、今では17分近くになってしまったという。とにかく、今回の「第一夜」を朗読してもらった。それを聴いて、この作品はこの会員に合わないと判断した。

 


○習志野朗読サークル「茜」の朗読レッスン(2)

 そこで、今回は「第三夜」に絞って取り組むように勧めた。この「第三夜」の朗読時間は恐らく10分を切るはずである。しかし、朗読会における朗読は、時間が長ければ良いというものではない。現に第7回「小さな朗読館」で夏目漱石原作「第一夜」を朗読したゲスト出演者は、この10分を切る作品で観客を十分魅了していた。

 プログラム5番は芥川龍之介原作「桃太郎」。観客に語りかけるよう指導した。プログラム6番は宮澤賢治原作「よだかの星」。これを朗読する会員は急速に上達している。今回も前回に比べかなり良くなっていた。プログラム7番は永井荷風原作「春雨の夜」。この会員は言葉の1つ1つを丁寧に発声するととても良い朗読になる。

 問題は、その丁寧な発声が15分間もつか否かである。プログラム8番のベンジャミン・エルキン原作「世界でいちばんやかましい音」を朗読する会員は欠席した。最後のプログラム9番は志賀直哉原作「小僧の神様」。これを朗読する会員は唯一の第1期生であり、一応、安心して聴ける朗読をする。残る課題は主に《間》である。

 

 

 

 

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