05館長の朗読日記(戦後80年/西暦2025年)

館長の朗読日記3074/千葉「風」の朗読レッスン

館長の朗読日記3074(西暦2025年6月08日 新規)

 


○千葉朗読サークル「風」の朗読レッスン

 昨日の6月07日(土)に千葉朗読サークル「風」の朗読レッスンを行なった。今回は第4期・朗読ステップ3の第13回。今回から今秋10月19日(日)に開催する千葉「風」の朗読発表会『雨あがる』に向けた朗読レッスンに入る。今回は、その第1回目のレッスンである。この『雨あがる』は前後篇に分けた2部構成であり、今回は前篇の第1回レッスンを行なった。

 この朗読発表会における読み継ぎ朗読は、前篇と後篇をそれぞれサークル全員で読み継ぐことになる。現在の「風」の会員は12人であるが、そのうちの1人が今後しばらく休会する。そこで、実際の朗読発表会では11人の会員で前後篇をそれぞれ読み継ぐことになる。今回、実際にレッスンして見て痛感したのは、主人公・三沢伊兵衛のセリフ表現のむずかしさであった。

 山本周五郎は、彼の作品『雨あがる』の主人公・三沢伊兵衛を、かなり現実離れの人物として描いている。したがって、その主人公・三沢伊兵衛の言動もかなり現実離れしている。そういう現実離れのした言動を朗読表現することは、意外にむずかしい。こればかりは実際にやってみなければ分からない。私はもちろんサークル会員は全員、現実的な人間なのだから仕方がない。

 

 

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館長の朗読日記3073/船橋「はなみずき」の朗読レッスン

館長の朗読日記3073(戦後80年/西暦2025年6月06日 新規)

 


○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン

 昨日の6月05日(木)に、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンをおこなった。今回は第4期・朗読ステップ2の3回目のレッスンであり、新しいレッスン台本・太宰治原作「兄たち」の3回目のレッスンでもある。今回からようやくこの「兄たち」の本格的なレッスンに入ることができた。サークル会員にとってこの台本はむずかしい作品かも知れない。

 太宰治は、自分自身の実生活と作品創作の実体験に基づいてこの作品を書いている。しかし、大部分のサークル会員にとって、太宰治のような実生活も創作体験もほとんど無縁であろうから、それらを自分の事としてイメージすることはほとんど不可能ではないかと思われるからである。まあ、その点は私も大同小異であるから、お互いのイメージで補い合うしかない。

 そういうわけで、私は、この作品は、朗読する人間が自分自身のイメージと心情で朗読表現することが大変むずかしいと考えている。したがって、せめて最後の部分の、長兄が三兄の死を慟哭する場面がうまく朗読表現できれば、まあ良しとすべきであろう、と思っている。人間は、自分の肉親の死は体験していることが多いし、その悲しみも共通していると思うから。

 

 

 

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館長の朗読日記3072/品川「あやの会」の朗読レッスン

館長の朗読日記3072(西暦2025年6月04日 新規)

 


○品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン

 昨日の6月03日(火)に品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンをおこなった。今回から、朗読レッスンは第4期・朗読ステップ2に入る。今回は、その第1回、レッスン台本・太宰治原作「雪の夜の話」の第1階でもある。そのレッスンをやる前に、直前に開催した朗読発表会『機関車先生』に対する出演者と観客の感想&意見の集約と共有化をおこなった。

 また、このサークルがおこなったアンケートを閉じたものを預かってレッスン後に読ませてもらうことにした。それらの感想&意見によると、今回の朗読発表会『機関車先生』は大変に高く評価されていた。読み継ぎの朗読はもちろんだが、バック音楽のピアノ演奏も大変に評判が良かった。原作の『機関車先生』も内容が面白くて感動的であった点も良かったと思う。

 途中の休憩を挟んで120分強という朗読時間は、一般的な映画の上映時間とほぼ同じである。それだけの時間があれば、かなり内容のある作品世界を朗読することができる。しかも、それを10数人で読み継げば、目先が変わって聴き手も集中力を切らさずに喫き通すことができる。この読み継ぎ形式の長編の朗読は私が考案したものだが、我ながら良かったと思う。

 

 

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館長の朗読日記3071/品川「あやの会」の朗読発表会『機関車先生』

館長の朗読日記3071(西暦2025年5月28日 新規)

 


○品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会『機関車先生』(1)

 昨日の5月27日(火)に品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会『機関車先生』を上演した。今回は、この朗読発表会『機関車先生』の本番であるが、朗読レッスンとしては第4期・朗読ステップ1の第21回、朗読発表会『機関車先生』のための9回目のレッスンに相当する。この本番の当日は、午前10時30分から午後5時ギリギリまで会場に居たことになる。

 会場は、従来と同じ小山台会館で、午前中は直前の舞台リハーサル、昼食の後、12時30分頃から会場待機、午後は13時00分に開場、13時30分に開演である。直前の舞台リハーサルは、出演者の舞台への登降や椅子への離着の手順や所作などのチェック、台本の各自の最初と最後の試し読み、陰アナウンスのリハーサル、最後の舞台挨拶のリハーサルをおこなう。

 そういう一連のリハーサルは毎年のことなので、古参の会員は大筋は分かっている。新人や準新人も前回の舞台リハーサルを一週間前にやったばかりだから、それほどのモタモタはなかった。ただ、私を含めて全体的に老化が進んでいるから、心配の種は尽きない。後は、来場した観客を「お友だち」と考え、失敗は笑って許してもらうつもりで思い切ってやるしかない。

 


○品川朗読サークル「あやの会」の朗読発表会『機関車先生』(2)

 午後はいよいよ本番である。全体的には大過なく進行した。出演者たちも、レッスンやリハーサルのときよりも心の籠った良い朗読をしていた。ピアノのバック音楽とも良く嚙み合っていた。台本の機関車先生』は第一部(前半)も第二部(後半)もほぼ60分強の朗読時間であるが、内容的にはなかなか良い内容で、かつ、とても感動的なので、朗読のやり甲斐がある。

 ほぼ満席だった観客の皆様も、十分に朗読を楽しみつつ感動して下さったようである。一般的な朗読会は、出演者が一人づつ一つの作品を朗読するから、短い作品の朗読が多い(読時間が一人15分ないしは精々30分)。休憩時間を挟んで朗読時間が120分の長編を朗読することはまず無いといって良いであろう。従って、一般的には、手軽な内容の作品が多くなる。

 私が指導している朗読サークルの朗読発表会は、全会員が作品を短く読み継ぐやり方で、この問題を解決した。朗読者が変わることで、観客の皆様は、長時間の朗読であっても、集中力を切らさずに聴いて下さるのである。もちろん、朗読にピアノによるバック音楽をつけるなどの工夫は必要であるが。今回の朗読の出来栄えなどについては、別途また記することにする。

 

 

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館長の朗読日記3067/船橋「はなみずき」の朗読レッスン

館長の朗読日記3067(戦後80年/西暦2025年5月18日 新規)

 


○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン

 一昨昨日の5月15日(木)に、船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスンをおこなた。今回は、第4期・朗読ステップ2の2回目のレッスンであり、新しいレッスン台本、太宰治原作「兄たち」の2回目のレッスンでもある。前回は、その前に開催した朗読発表会『春琴抄』の反省や意見や感想の交換で大半を費やした。

 そのため新しいレッスン台本、太宰治原作「兄たち」に関しては、実質的に今回が初めてのレッスンのような具合になった。そこで改めて、この太宰治原作「兄たち」について大まかな解説をおこなった。太宰治の実家が青森県でも有数の資産家であったこと。太宰治自身は大学生時代に左翼的政治活動を急進的におこなったこと。

 そのため、青森の実家からは絶縁されたこと。その後、太宰治が政治的に転向し、文学の道に転入したこと。そして、太宰治自身が自分の実家の良さを再認識し、自分の文学的な根っこもその実家にあったことを自覚し、彼の家族、特に3人の兄たちについての文学的な想い出を、この「兄たち」という作品に書き記したこと等々。

 

 

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館長の朗読日記3066/八千代「新・みちの会」の朗読レッスン

館長の朗読日記3066(西暦2025年5月11日 新規)

 


○八千代朗読サークル「新・みちの会」の朗読レッスン

 昨日の5月10日(土)13時00分から、八千代朗読サークル「新・みちの会」のレッスンをおこなった。今回は、第4期/朗読ステップ4の第13回であり、今回から今秋11月08日(土)に開催する朗読発表会『ツナグ 母の心得』のレッスンに入る。今回は、その第1回目、前半・第1部の第1回目のレッスンである。

 朗読発表会に向けた通常のレッスンの仕方は、通常のレッスン6回、立ち稽古1回、舞台リハーサル1回、本番1回であり、通算で9回のレッスンとなる。しかし、今回は、通常では9月に開催する朗読発表会を2ヶ月ずらして11月に開催することにしたので、レッスン回数が2ヶ月分、すなわち4回分も増えることになった。

 そのせいばかりではないが、実際に台本の前半・第1部を朗読してみたところ、会員の間からカットの仕方についていろいろな意見や改善希望が出てきた。これまで、このサークルはどこか他人まかせなところがあったから、このような議論がおこなわれることは大歓迎である。結果は、まず前半を大幅に変更することになった。

 

 

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館長の朗読日記3065/千葉「風」の朗読レッスン

館長の朗読日記3065 (西暦2025年5月04日 新規)

 


○千葉朗読サークル「風」の朗読レッスン

 昨日の5月03日(土)に千葉朗読サークル「風」の朗読レッスンをおこなった。今回は第4期・朗読ステップ3の第11回、山本周五郎原作「夕靄の中」のレッスンの第5回である。この「夕靄の中」は、ほぼ全篇に静かな緊迫感を漂わせなければならない作品なのだが。レッスンも第5回ともなると、多少は緊迫感らしきものが表われて来たように思われる。

 慣れないうちは、緊迫感を出すために声を変に下げるような朗読表現をしがちであった。実はこれは逆であって、緊迫感を出すためには声を高めに張り付けた感じで朗読しなければならない。このことは、我々が日常生活の場で、緊迫した状況を親しい知人友人に報告する場合を考えてみれば、自ずから明らかになる筈である。日常の話声言語が見本なのである。

 緊迫した場合でなくとも、日本語における話声言語表現は、声を高めに張り付けた感じで表現するものなのである。そういう表現が、なかなか朗読の場で出てこないのは、われわれが日常的に使っている話声言語表現というものを、当人自身が如何に知らないかということなのである。日本の国語教育の現状は、肝心なこの日常的な話声言語表現を教えていない。

 

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館長の朗読日記3064/船橋「はなみずき」の朗読レッスン

館長の朗読日記3064(戦後80年/西暦2025年5月02日 新規)

 


○船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読レッスン

 昨日は、先月の4月16日(水)に開催した船橋朗読サークル「はなみずき」の朗読発表会『春琴抄』の後の、初めてのレッスンである。いつもは、朗読発表会の直後のレッスンでは、会員の皆さんは達成感で盛り上がるのだが、今回は比較的に冷めた感じで批判的に振り返っていた。まあ、これも成長の一形態なのだと思う。

 今回のレッスンは、時間の3分の1を朗読発表会『春琴抄』に関する知人友人の方々からの感想の紹介、時間の3分の1を今度のレッスン台本・太宰治原作「兄たち」の初回レッスン、時間の3分の1を船橋朗読サークル「はなみずき」の打合せに費やした。ただし、最後の「はなみずき」の打合せの際には、私の方は早退した。

 今度のレッスン台本「兄たち」は、このサークルにおいては2度目の作品である。数人の古参の会員に打診してみたが、ほぼ忘れているようであった。まあ、サークルとして新鮮な気持でレッスンに取り組める点では幸いである。この「兄たち」は太宰治の作品としてどのように評価されているのか知らないが、私は好きである。

 

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館長の朗読日記3063/八千代「新・みちの会」の朗読レッスン

館長の朗読日記3063(西暦2025年4月29日 新規)

 


○八千代朗読サークル「新・みちの会」の朗読レッスン

 一昨昨日の4月26日(土)13時00分から、八千代朗読サークル「新・みちの会」のレッスンをおこなった。今回は、第4期/朗読ステップ4の第12回であり、レッスン台本・向田邦子原作「魚の目は泪」の第6回の朗読レッスンでもあり、この「魚の目は泪」というレッスン台本の仕上げの通し読みでもあった。

 また次の5月から朗読発表会『ツナグ 母の心得』に向けたレッスンが始まるので、この4月後半(=最後)のレッスンにおいて、サークル会員の読み継ぎ分担を通知しなければならない。それを「魚の目は泪」の仕上げの通し読みの後にやったのでいつもよりレッスン時間が長くかかった。会場の使用時間を延長した。

 さらに難儀まことに、この台本には部分的にドイツ語が混入している。私はフランス語なら音読することぐらいはできる。しかし、ドイツ語はさっぱりである。そこで、読み継ぎ分担をおこなうために、サークル会員のドイツ語の音読の可否を打診しなければならない。まったく厄介な朗読台本を選んでくれたものである。

 

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館長の朗読日記3062/品川「あやの会」の朗読レッスン

館長の朗読日記3062 (西暦2025年4月23日 新規)

 


〇品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスン

 昨日の4月22(火)に品川朗読サークル「あやの会」の朗読レッスンをおこなった。今回は、第4期・朗読ステップ1の第19回、今夏5月27日(火)に開催する朗読発表会『機関車先生』に向けたレッスンの7回目であり、かつ、その立ち稽古であった。この立ち稽古は午前10時30分に始まり、午後4時30分頃まで、ほぼ一日がかりでおこなった。

 この立ち稽古の会場は和室であった。私を含めて高齢者が多いので、畳の上での正座は無理である。畳の上に椅子を並べたが、数が足りなかったので椅子に漏れた会員は厚めの座布団を利用していた。午前に『機関車先生』の前半をレッスンし、午後に後半をレッスンした。今回は立ち稽古であるから、前半も後半もそれぞれを会員全員で読み継いでもらった。

 朗読時間は前半も後半も共に60分であった。この作品の内容と会員の朗読的実力とこの朗読時間と、そして、当日の家人のピアノ演奏が加われば、さらに、このサークルの観客動員力をもってすれば、かなり良い朗読発表会になるであろうと私は確信している。ただこのサークルには強烈な雨女がいる。台風の直撃を受けた事もある。それだけが懸念される。

 

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